エピソードまとめ
□ユーゴ・シモン
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ep.1 裏切り者
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パシュっと上空に赤い閃光と狼煙が打ち上げられた。
「おっしゃあ!」
「キャンプのみんな……今の合図を見て早く来てくれるといいけど……」
狼煙を上げるのに使った銃を持ちながらアメリーは屋上から空を見上げた。
「……とにかく今は、生き残ることを考えよう!」
ユーゴの言葉にアメリーは素早く銃から槍に持ち直す。
この場には倒しきっていない連邦兵がまだまだいるのだ。兵器を壊す合間に、多勢の連邦兵に囲われていて三人の状況はピンチであった。
連邦の剣兵や槍兵と見合う中、後ろの創術士が杖を掲げた、その瞬間。
「ぐあ!」
そう言って連邦の創術士は前に倒れた。
「遅くなって悪かったな」
そう言って、倒れた創術士の後ろから銃を構えた帝国の指揮官が現れた。
さらにその後ろの入口からぞろぞろと帝国兵達が屋上へと上がってきて、連邦兵たちを囲った。
「指揮官……」
「どうやら間に合ったみたいだな」
あの兵器が無くなったおかげか、やる気に満ちた帝国兵達が一気に連邦軍を制圧していく。
「お前ら、本当に来たのか……」
「舐めるなよ、小僧。俺達だって軍人だ。約束を果たした仲間を見殺しにするほど、腐っちゃいないさ」
「へっ、そうかよ……」
「じゃあ、この砦はもう?」
アメリーが伺うように聞けば、司令官は口元を緩めた。
「……よくやったな、ロランス隊。そして…、ユーゴ・シモン」
「…はい!」
ユーゴは姿勢を正し、今日1番のいい返事をしたのだった。
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〔エピローグ〕
「あの……」
砦の制圧の終えた屋上で集まった帝国兵達に、アメリーが控えめに声をかけた。
「こーちゃく状態が終わるってことは、もうキャンプで楽はできなくなっちゃうけど…………」
「ふ、どうだろうな?」
「へ?」
含み笑いをしながら答えた司令官を見て、アメリーは首を傾げた。
「次は、この砦を根城に楽してやるだけさ。ここを防御線にするという名目でな!」
「……ったく。ちゃっかりしてやがんな」
「あはは。意外とたくましい人達だったんだね」
「そうですね。そこは僕も少し見誤っていました。彼らは……強いですよ」
「よし……早速、派手に戦勝会だ!」
そう言って、司令官は他の兵を連れて歩きだす。
「お前らも早く来い!」
「いいねえ、そうこなくっちゃ!」
司令官の呼び掛けに喜んでファルクが後を追う。
「さっさと行こうぜ、アメリー、…ユーゴ」
「っ!」
「ふふっ」
ファルクが初めて呼んだ名にユーゴは驚き、アメリーは嬉しそうに笑った。
「……あ、待ってようクロードくん!」
アメリーが走って追いかけて行く。
その背を見ながらユーゴは、幼馴染二人の顔を思い出した。
レオ……セリア……。僕はここで生きていくよ……。
……譲れないものを守るため。
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〔次回予告〕
次回 テイルズオブルミナリア
エピソード ユーゴ
ep.2 決別の戦場
僕に立ち止まっている時間はないんだ