エピソードまとめ

□ユーゴ・シモン
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ep.1 裏切り者
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「これは……!?」

まっすぐ砦内を進んで扉を開ける。そこは食事処のようで、連邦兵達が集まっていて飲んでいた。

「ひゃ〜!いっぱいいるとこに出ちゃった〜!」

扉が空いたことでこちらに気がついた兵士達が武器を持っていっせいに向かってきた。

「……やっぱ裏からつっても、楽にはさせてくれなそうだな」

「おや、ファルク。弱音かい?」

「ああ?今、なんつったテメエ」

ユーゴの挑発にファルクはいとも簡単に乗っかってしまう。

「上等だ。楽勝で突破してやんよ!」

「頼りにしているよ、切り込み隊長」

「任せやがれえっ!」

ファルクに先陣を切らせ、ユーゴは守りに徹底しつつ、アメリーと共に彼の後を追う。

「……ユーゴくんって、クロードくん扱うの上手くなったよね。なんか慣れてる感じする」

「……彼に少し似た友人がいたもので」

「そうなの?」

「ええ、幼馴染みなんですが……」

「おい、連邦野郎。この任務のあと再試合しろよな。次こそ、ぶち殺してやんぜ」

「……あ、ああ」

「……本当に似てる?その幼馴染みに」

「ごめんなさい、かなり違うかも」

「でしょー?」

「……似ているとこもあるんだけどな」

ユーゴは赤く長い髪をまとめた優しい幼馴染の事を思い返した。

「でも、養護院にもいた気がするな一、ユーゴくんに似た子」

アメリーも子供のころの自分の記憶を思い返す。

「そうなんですか?」

「うん。いつも無茶なことばっかして、素直じゃなくて……」

黒い髪で緑色の鋭い目つきの男の子。

「あ……クロードくんだ」

「いや……さすがに僕と彼は似てないと思いますが……」

「そうかな?」

アメリーは首をかしげる。

「二人がもっともっと仲良くなったら、なんかすっこい連携とかできそうだよ。なんとかの呼吸ってやつで!」

「……確かに同じ隊にいる以上、それくらいはできるようにならないとですね」

「うんうん!もちろん私も一緒にね!頑張ろう!」

「はい!」

「なにをさっきからくっちゃべってんだ?ここは遊び場じゃねえんだぞ。……兵器破壊っつう目的忘れんなよ」

「……う。間違ったこと言ってないのにクロードくんに言われると……」

「……どうもに落ちませんね……」

だが、ファルクの言うことが正しいので、二人は意識を入れ直し、目の前に向かってくる連邦と戦うのであった。



〔道中会話〕
「……よお、連邦野郎」

「なんだい?ファルク」

「オレ達が兵器の破壊に成功したとしてよ」

「うん」

「キャンプのヤツらが砦制圧に動く保証はねえんじゃないか?」

「ないね」

「そうしたらオレ達、敵陣深くでリンチだな」

「だね」

「……おい」

「引き返すかい?」

「ハッ冗談。そうなったらオレ一人で制圧してやるぜ」

「心強いね、僕も頑張るよ」

「……いやに余裕があるな」

「そんなことないさ。でも僕は信じてるから」

「なにを?」

「彼らが帝国軍人の矜持にかけて、約束を果たしてくれると」

「……連邦の裏切り者がよく言うぜ」

「はは、ホントだね」


〔VS連邦兵軍団〕
「うじゃうじゃとクソめんどくせえな……」

「こんな時こそアメリー隊長、大活躍しちゃうよ!」

戦闘終了後
「よっしゃ、次い!」

「……次は出て欲しくないけど」

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〔道中会話〕

「……なあ、連邦野郎。テメエみたいなのがなんで……」

「……僕はこんな所で立ち止まっていられないんだ。すべての任務に全力であたる。掴めるチャンスはすべて掴む。それが僕の……。連邦や大事な仲間を裏切った最低な僕の……、譲れない覚悟だから」

「ユーゴくん……」


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〔連邦兵軍団〕
「弱いくせに群れやがってクソだりいな」

「でも私達がやらなきゃみんなが困るよね!アメリー少尉、まだまだ頑張っちゃうよ!」

〔戦闘終了後〕
「さあ急ぎましょう」

「ハッ、手柄首はどこだ?」

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〔道中会話〕
「僕はこの任務にも命を掛けるけど、二人は……」

「ここまで来てなに寝言言ってんだ?……行くぜ、連邦野郎」

「ファルク……」

「"三人"で行こう。だって私達、ロランス隊だから!」

「……隊長、ありがとうございます。行きましょう!」

「おう!」

「うん!」

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砦の屋上を目指し登っていくと、長い階段の先に直径10メートルは超えるであろう緑色の球体が、半壊した卵の殻のような形の土台に嵌められているのが見えた。

「ユーゴくんあれ!」

「あれです!あれが僕らの目標だ!」

「っしゃあ、このまま一気に行くぜえ!」

ファルクを戦闘に一番上まで階段を駆け上がり、三人は屋上に飛び出した。

「んだ!?」

「障壁創術!」

球体は緑色の障壁で四方を囲まれていた。

「まず術者を排除しないと兵器には近付けない!」

「と言われても…………」

アメリーは槍を前に構え、少し身を引いた。

「……なんかそれっぽい人たくさんいるよ?」

障壁の前にロープを来た創術士が4人、その前には剣士や弓兵、槍兵が構えている。

「残念ながらその全員が術者です」

「要は全員ぶっ倒せばいいんだろ!」

「ああ、そうだね!」

「ハハッ、いいねえ!血が騒ぐってもんだぜえ!」

「この任務……絶対に三人で成功させようね!」

「はい!」

三人は武器を持ち敵陣へ特攻した。


雑兵は後回しにし、先に術者4人を叩いた。

「あっ!障壁がなくなったよ!」

アメリーの言う通り、球体の前には障壁が消えていた。

「っしゃあ!次は兵器本体だ行くぜ!」

「ああ!そうすれば目標は達成だ!」

やってくる有象無象の兵をファルクとアメリーが受け持ちユーゴが進む道を開ける。

そうして兵器の前にたどり着いたユーゴは、長剣を思いっきり、目の前の球体へと振り下ろしたのだった。
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