エピソードまとめ

□ユーゴ・シモン
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ep.2 決別の戦場
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〔連邦軍 第1拠点〕
「ここは通させてもらう」

「て、帝国軍!?いや……二人だけだと?」

「まあ、当然の反応ですよね。これが本来なら、黒狼村一人の任務だと言うんですから、僕も驚きです……」


〔第1拠点制圧〕
「ひ、ひい逃げろ!バケモノだ!」

「あ……待て!」

「構わん」

「え……?」

〔道中会話〕
「逃がしていいんですか?他の拠点に警戒されますよ?」

「むしろ戦力を集中してくれた方が好都合だ
。各個で潰す手間が省ける」

「……戦術が独特過ぎますよ。もっとこう、各拠点へ同時に奇襲を掛け、一気に制圧するとか………」

「自分達二人でか?」

「そうでした……。僕達は二人だけでしたね。……バスチアンさんの策の方が良さそうです」

「そうか。ではこのままヤツが逃げた方へ向かうぞ」

「……了解です!」


〔道中会話〕
「そういえば、バスチアンさんの剣術にはなにか流派が?」

「いや、我流だ。自分のような力を前提とした流派がないのでな」

「それはそうですよね。だとすると……」

「どうした?」

「あ、いえ。自分の幼馴染みが、どことなく似た剣術を使うので」

「そうなのか」

「まあ、物が刀って共通点だけかもしれません。気にしないで下さい」

「わかった。気にしないでおこう」

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〔連邦軍 第2拠点入口 石壁で塞がれている〕
「総員!奴らが足止めされている間に弓で狙い撃て!」

〔連邦軍 第2拠点〕
「……ハッ!」(石壁破壊)

「な……なんだと!?」

「今のは僕が連邦側でも同じような声が出そうです……」

「いいから蹴散らすぞ」

「はい!」


〔第2拠点制圧〕
「よし次だ」


〔道中会話〕
「本当に帝国軍の人達の苛烈さは凄いな……。アウグストさん……いや、宰相様はもちろんだけど、ファルクや隊長だって……。僕ももっと強くならないと……」

「先ほどから一人でなにを言っている?」

「あ、いえ、別に」


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〔連邦軍 第3拠点〕
「馬鹿め!すでに迎撃準備は整っている!見よ、この兵の数を!周囲から集めに集めたわあ!」

「……ふっ」

「嬉しそうですね……」

〔第3拠点制圧〕
「さあ次へ向かいましょう!」


〔道中会話〕
「バスチアンさんの強さを見ていると、相対する連邦軍が可哀想に思えてきますよ」

「なぜそう思う?連邦に未練があるのか?」

「そういう意味じゃないですけど……。まあ…、確かに僕は連邦の出なので………ってこういう情報は、必要ないんでしたよね」

「そんなことはない」

「え?」

「お前の能力に関する情報は必要ないが、お前自身には興味があるからな」

「そ、そうですか?そう思っていただけるのはありがたいです。ただ……、今は連邦の人間としてではなく、帝国軍、ロランス隊のユーゴ・シモンとして、走り続ける覚悟なので未練はないです」

「そうか……」


〔道中会話〕
「ロランス隊は息災か?」

「はい。いつも通り賑やかですよ」

「それは結構なことだ」

「先ほど、ファルクにも稽古をつけることがあると言ってましたけど、彼と親しいのですか?」

「よく絡まれることを、親しいと呼ぶのならば」

「ああ……、目に浮かぶようです」

「お前にとってのロランス隊はどうだ?」

「え?そうですね………うん。今は大切な……かけがえのない仲間です」

「そうか」

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〔連邦軍 第4拠点〕
「ひい……や、奴らだ!も、もう終わりだ!」

「この状況は喜ぶべきなのでしょうか?」

「さてな。いつものことではあるが」

「バケモノ、悪魔……!残虐な殺人兵器め……!」

「……いつものことだ」

「……そうですか。……制圧…しましょうか」

「ああ」

〔兵長出陣〕
「おのれ……そこを動くな!」

〔第4拠点制圧〕
「よしこれで、残すは敵本陣だけになりましたね。このまま一気に制圧してしまいましょう」

「そうだな…」


〔道中会話〕
「……ユーゴ。これまで戦ってきた連邦兵の中に、お前の昔の仲間はいたのか?」

「それは……。すべての兵が仲間といえば仲間でしたし……ね」

「なるほどな。それは確かにそうだろうな」

「ああでも、連邦にいた頃の僕はただの学生……訓練兵みたいなものでしたからね。こういった戦場に出るような、軍の人間に会うことは多くなかったので、そこまで深い関係の相手はいませんでしたよ。だからお気になさらないで下さい」

「そうか」


〔道中会話〕
「……ユーゴ、お前はなぜ連邦を裏切った?」

「直球で訊いてきますね」

「答えたくないならそれでも構わないが」

「そうですね。一言で言うなら……大切なものを守るためです」

「故国よりも大切なものがあると」

「痛いところを突きますね。でも……はい、そうです」

「……そうか。お前は眩しいな」

「え?」

「気にするな先を急ぐぞ」
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