エピソードまとめ

□ユーゴ・シモン
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ep.2 決別の戦場
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奥に進むと、先程の獣と同種の更に大きな個体─ディモナビスがいた。

「やはりまだいたのか!ただ、先ほどまでのとは雰囲気が違うようです!」

「ああそうだな。ではやるか……ユーゴ。二人で」

「……はい!」

2人はそう言って、ディモナビスと対峙するのであった。

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「見事だ、ユーゴ」

ディモナビスを倒し終わると、バスチアンがそう言った。

「あ、ありがとうございます。バスチアンさん。この任務で、僕はまた一つ成長できたように思います」

「そうか。それは良かったな。では次は他の狼将に……」

「次の任務も張り切って帯同させていただきますね!よろしくお願いします!」

「……やれやれ」

この調子では当分付いて回りそうだと、バスチアンは諦めるのだった。


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【CHAPTER3 狼将の役割】
999Y.C. ジルドラ帝国 帝城ガルデンブルク

「今日はバスチアンさんに稽古をつけてもらえる約束だ。待ち合わせは、この中庭のはずだけど……」

そう言ってユーゴは、城の庭を歩くのだった。

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〔城内会話 帝国兵〕
「バスチアン様と手合わせするらしいな。俺も凄く楽しみにしてるぜ」

「どうしてですか?」

「だってよ。殺される……まではいかなくても、絶対、五体満足じゃいられねえだろお前。楽しみで楽しみでしょうがねえよ!」

「なるほどね……」


〔城内会話 2人組帝国兵〕
「聞いたか?例の十三人喰いの獣。黒狼村様と……裏切り者で退治したらしいぜ」

「ああ。あの獣に俺達の同僚もやられたからな……。これでアイツも浮かばれるだろうよ」

「だよな。黒狼将様と裏切り者には感謝を…………いや、どうせ連邦の奴は、なにもしてないのに、あたかも自分の手柄のように 触れ回ってるだけだぜ」

「そうだな……そうに違いないよな……」

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バスチアンは中庭の噴水の前にいた。

「来たか、ユーゴ」

「本日は手合わせ、よろしくお願いします!」

「……自分と手合わせしたいなど妙な若者達だ。お前もファルクも」

「ファルクと同類扱いは少し気になりますが……。天下の黒将に稽古をつけてもらうなど光栄に決まっています」

「そうか。ならば……行くぞ」

「はい!」

ユーゴの返事を聞きバスチアンは刀を抜いた。

「器用な手加減は期待するなよ」

「う…そう言われると……」

「当然お前も遠慮はいらないからな」

「黒狼将相手にそんなことができるはずないですよ……。僕の全力で行かせてもらいます!」

そう言ってユーゴは長剣を構えるのだった。



「強い。これが黒狼将の力……」

「どうした?もう終わりか?」

「いえ!まだまだです!どんな強者が相手だとしても、少しでも足掻けるなら足掻きたいんで!」

「良い気構えだ」


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「ぜえ……ぜえ……」

「やはりお前は強いな」

肩で息をするユーゴにバスチアンはそう伝えた。

「素晴らしく洗練された剣筋だ。ただ、それは同時に読みやすいということでもある。戦場ではもう少し荒々しく泥臭い方が……それこそ、ファルクと足して二で割るぐらいでちょうどいい」

「僕とファルクでなら貴方と渡り合えると?」

「いや……。それは難しいだろう」

「なぜです?」

「お前とあいつの息が合うのは何年後だろうな?」

「ははっ……絶望的ですよね……」

「そういうことだ」

「さて……お前と話している時間も悪くはないが、自分はこれから制圧任務に出なくてはならない」

「これからですか!?」

「ああ、お前はどうする?」

「わ、わかりました!補習授業だと思って 学ばせてもらいます!補習ってレベルじゃ なさそうだけど……」

ぼそっと、ユーゴは呟くのだった。

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999Y.C. 森国シルヴェーア ディランブレ戦傷地帯
《前線拠点 制圧任務》



〔道中会話〕
「……では、この一帯を一気に落とすぞ。……我々二人で」

「相変わらず、無茶苦茶な話ですね」

「だが慣れただろう?」

「……まあ、恐ろしいことに」

「ではゆくぞ、ユーゴ」

「はい!」



〔道中会話〕
「でも良かったです」

「なにがだ?」

「あ、いえ……。バスチアンさんが僕のことを、だいぶ受け入れてくれていると感じたので……」

「受け入れる?自分がお前をか?」

「え……違うんですか?初めてお会いした時なんかは僕に無関心……を越えて、認識されていないのかな、と思ったりもしましたが。最近はそういった空気を感じないので……勘違いだったでしょうか?」

「ふむ……。どうだろうな。自分は元々、そのような態度を、とったつもりはないのだが………」

「あ、あれでですか?」

「ただ……、それこそ慣れたのかもしれないな。お前という存在に」

「そ、そうですか……」
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