エピソードまとめ

□ラプラス
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ep.1 魔女の気まぐれ
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【CHAPTER3 魔女の回り道】
997Y.C. ジルドラ帝国 レインツ荒涼地帯

門を通り2人は洞窟の別の入口へ続く道を行く。

〔道中会話〕
「それじゃ洞窟へ向かいましょうか」

「この先は凶悪な獣が出るとか」

「あら、黒狼将ともあろう者が怖がってるの?」

「そうだな。貴女を守り切れる確証がないのは恐ろしいな」

「なっあなたって人は……。どうしてそういうことを真顔で言えるのよ……」

「なにか自分の言動に問題が?」

「……なんでもないわ」

「そうもいくまい。自分に問題があるなら遠慮なく……」

「だからっそういうところよっ!」

「そういうところ?ふむ詳しく………」

「ああもう!いいから任務に集中なさい!」

「む、御意」

「……はあ」

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「もう。また落石い?」

道を塞ぐ大岩を見てラプラスはバスチアンを見た。

「そのようだな。あの程度なら破壊は可能だが。その前に……」

「はいはい。お掃除タイムよね」

周辺を、ガルルにラズビー、ネヴァム、ウィルーツ、そしてガルグランまで、この地帯に生息する獣が勢揃いだった。

「さっさと、皆殺すわよ」

そう言ってラプラスは矢を放った。





獣討伐後。

「じゃ、よろしくねえ」

そう声を掛けて、ラプラスは大岩から離れた。

「任せておけ。……ハアッ!」

バスチアンが刀を振れば先程のようにスパンと岩は割れ通り道ができた。

「はい、お疲れえ」

それじゃあ行きましょ、と2人は先を進んだ。

「ねえ、バスチアンちゃんって、任務の時以外なにしてるの?」

「ふむ……そもそもその概念がないな」

「……意外過ぎる回答ね」

「自分は帝国の剣だからな。鍛錬や休息もすべて任務の内だ」

「ふーん」

そんな会話をして歩いて居ると、先に人工的に作られたような通路があった。
その道を真っ直ぐラプラスは歩いていくと、壁の横に空いた小さな穴から矢が飛び出してきた。

「えっ!?」

驚き目を瞑るラプラスの耳に聞こえたのは、パシッと言う音。
次にラプラスが目を開くと、目の前に(やじり)があり、その矢柄をバスチアンが掴んで止めていた。

「……あ、ありがと」

「……ふむ」

バスチアンは何かを思案しながら、矢をその辺に放り投げた。

「どうしたの?」

「いや、今回はないのかと思ってな。お礼のいいこと、とやらが」

「真面目な顔して凄い要求するわね。まあ、そんなに欲しいならいいことしてあげるけど?」

「そうか。では一つ頼まれてくれるか」

「あは〜ん、なにかしらあ?」

ラプラスは自身を腕で抱き身をくねらせた。

「貴女には……、貴女の身の安全を最優先に考えて行動してほしい」

「……なによ、そのいいこと………」

バスチアンの言葉にラプラスは拍子抜けしてしまった。

「む。望み過ぎたか?」

「別に……というか、言われるまでもないわ。アタシはいつだってアタシの利益が最優先だもの」

「不思議な嘘をつくな。貴女らしくもない」

「なにそれ。アタシはいつだって自由に……」

いつも余裕そうなラプラスと違って、どこか焦ったように彼女はそう言う。

「違う。むしろ逆だろう。貴女という人は誰よりも……」

「…口が過ぎるんじゃないかしら」

いつもより低いラプラスの声に、ひんやりした空気が流れる。

「……失礼した」

バスチアンはそう言って口を閉じた。


「それにしても露骨に面倒ね、この罠」

「獣対策のものだな」

「罠なら脇道に制御装置くらいあるでしょ。先にそっちへ行ってみましょ」

そう言ってラプラスは少し戻って左側の小部屋に向かった。

「ほらあった。さて……」

小部屋の中にレバーがありラプラスはそれの向きをかえた。

「これで止まったのかしら?」

「恐らくは」

「じゃ、先に進みましょ」

そう言って、2人は建物の中を進んで行くのであった。


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〔道中会話〕
「さっきの休暇の過ごし方だけど、あなたも 男なんだし女遊びとかしたら?」

「女遊び……。この任務のことか?」

「凄いこと言うわね。アタシで遊んでたつもりなの?」

「遊びではない、が楽しくはある、……気がするな」

「なによそれ」


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洞窟の入口までたどり着いたかと思えばそこには獣達が待ち構えていた。

「あ〜ん、また獣がいっぱ〜い」

「……この獣の発生量、さすがに異常ではないか?」

「そうねえ……。ま、"ここ"ならあり得るかな」

「それはどういう……?」

首を傾げるバスチアンを前に、ラプラスは弓を構える。

「早くやるわよバスチアンちゃん」

「……承知した殲滅を開始する」

「よろしくう」



獣討伐後。
「片付いたか」

「みたいねえ。ふう……これでやっと洞窟に入れるわあ」
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