エピソードまとめ

□アレクサンドラ・フォン・ゾンネ
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ep.1太陽
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「……ひとまず、周辺を探してみるか……。キャンプに持って来たとは言っていたな……」


そう言ってアレクサンドラは、フリッツが無くしたクルトの認識証を探し始めた。


〔キャンプ内会話 ラプラス〕
「死んだ傭兵ちゃんの遺品探しですって?あはは。相変わらず元気だけが取り柄の白犬は、無駄働きするわよねー」

「ふん……。まるで働かない、どこぞの赤猫よりマシだろう」

「……わんわんうるさいわよ、白犬」

「きゃんきゃん喚くな、赤猫」



〔キャンプ内会話 商人〕
「おや、お嬢さん。やっぱりたまごカツサンド食べてくかい?」

「…いや。すまないが認識票の落とし物はなかったか?」

「うーん、落とし物はないかな……。どうせなら新しいタグでも買っていくかい?」

「……そういうことではないんだ。ありがとう、失礼する」



〔キャンプ内会話 帝国兵〕
「これは白狼将様!……傭兵の認識票ですか?……私は存じ上げませんが、狼将様達がいらっしゃってから、ここに出入りした者はいませんので、おそらくキャンプ内にあるのかと……」


〔キャンプ内会話 アウグスト〕
「……亡くなった傭兵の遺品探しですか………。相変わらず貴女という人は……退屈しませんね」

「それは褒め言葉と受け取っていいのか?」

「どうでしょう。少々自分でも判定しかねているところです」

「なんだ、それは。おかしなヤツだな」

「貴女がそれを言いますか……」



〔キャンプ内会話 テント前帝国兵〕
「認識票……ですか?……申し訳ありません。俺にはちょっと……テントの中のヤツらに聞いてきましょうか?」

「いや……いいんだ休ませてやってくれ」


〔キャンプ内会話 陰鬱な帝国兵〕
「クルトという名の傭兵の形見ですか……。遺留品に関してはわかりませんが、その名を叫びながら泣き崩れていた男なら、そこの広場で見ましたよ」

「……そうか」

「その傭兵ももっと、生きたかったでしょうにね……」

「ああ……そうだな……」



〔イベント 広場〕
「……これは認識票か?」

アレクサンドラはしゃがんで、地面に落ちた光るそれを手にした。

「"クルト"と記されているな。こんな近くにあるではないか……。フリッツのヤツ明るく振る舞ってはいたが、よほど気が動転していたのだな……。早く渡してやろう……」

アレクサンドラは、タグを懐にしまう。

「さてフリッツの所に戻るとするか……」

アレクサンドラは立ち上がり来た道を戻った。

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〔キャンプ内会話 陰鬱な帝国兵〕
「……明日は何人の兵がマナに還るのでしょう……。帝国だけではなく、連邦側も……」

「私は………。課された任務をまっとうするだけだ……」


〔キャンプ内会話 テント前帝国兵〕
「あっ!アレクサンドラ様!先ほど宰相様と赤狼将様がテントに入られました!良かったらご一緒に……」

「いや……いい急いでいるのでな」



〔キャンプ内会話 商人〕
「いやー、今日はいい商売ができたよ。帝国の宰相様ともお近付きになれたしねえ」

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〔イベント会話 フリッツ〕
アレクサンドラはフリッツの元に戻って、先程拾ったタグを渡した。

「こ、これは……!ありがとうございます!」

「もう失くすんじゃないぞ?」

「はい……。クルトの遺品、いつか、必ず、シルヴェーアの妹さんに渡してみせます!」

「シルヴェーアの……?そうか、彼は連邦の出身だったのか……」

「…はい。元々は連邦兵志願だったんです。だけど、この戦争で両親を早くに亡くして、妹さんとの生活を守るために夢を諦め、傭兵を………それが、連邦兵に殺されるだなんて……!こんなのってあるかよ……!」

「フリッツ……」

「……でも、アレクサンドラさん。貴女に会えて良かったです。きっと、あいつも、そう思ってるはずです。……本当に……ありがとう……ございました」

涙を耐えながら、フリッツはそう言い、頭を下げた。

「……こちらこそ、ありがとう……」

礼を言い、アレクサンドラは泣き崩れるフリッツを背にその場から離れる。

「……アレクサンドラさん?酷い顔ですね……」

アウグストがそう声をかけてきた。

「ああ……。フリッツに仲間の遺品を渡してやったところだ……」

「そうですか……」

「どうした?」

「……ああ、いえ。遺品というものは……ただの慰めにしかならないかもしれません。ですが……、それがあるからこそ前を見続けることもできます。……私のようにね」

アウグストの表情が陰った。

「……アウグスト」

「余計な話をしました。すみません」

そう言ってアウグストは踵を返した。

「……アレクサンドラ。明日はいよいよ砦の攻略戦となります。今日はしっかりと休息を取って下さい」

「ああ。わかっている。……我らが、帝国のために、な」

「……ええ。では、私はここで」

「ああ、また明日」

そう言って立ち去るアウグストをアレクサンドラは見送った。

「いつまで続くのだろうな……この戦争は」

アレクサンドラは、空を見上げ、赤く染まったマナの川の先にある太陽に目を細めるのだった。
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