エピソードまとめ

□アレクサンドラ・フォン・ゾンネ
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ep.1太陽
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〔連邦拠点本陣〕

「来たぞ!宰相に白狼将と赤狼将だ!狼将は生粋の化け物!猛獣を相手にするものと思え!」

「酷い言われようねえ」

「そうだろうか?ある意味、光栄なことだと思うが」

「アレクサンドラさんらしいですね」

「そんな彼らの期待に恥じぬよう、私達も全力で相手しようではないか!」


〔敵将出陣〕
「勝利を掴むのは我らだ!」

「なにを言っている。勝利は我らが帝国のためにこそ、あるべきものだ!」



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〔敵将撃破後〕

敵将を討ち取り終わり、その場には幾人もの連邦兵たちの死体が転がっている。

終わったかと3人が武器を収めた後ろで、連邦の弓兵の1人がひっそりと上半身を動かした。

「く……死ねえ!」

そう言ってアウグストの背に矢を放ったが、その矢はいとも簡単に、アレクサンドラの剣に弾き飛ばされてしまった。
そして、アレクサンドラが1歩踏み出したかと思えば、彼女は一瞬にして弓兵の前にいた。


「……が。なんて……速さ……!」

アレクサンドラによって斬り伏せられた兵士はそのまま事切れた。

「お疲れさまでした。アレクサンドラ……さすがですね」

「……いや、本来ならば、矢が射られる前に対処できて然るべき状況だった」

そう言いながらアレクサンドラは2人の傍に戻ってくる。

「私もまだまだだ。精進しなければ」

「……そこで反省しますか。貴女とバスチアンだけは敵に回したくないものですね」

「ふ。それはお互いさまだろう。今も、昔もな」

そう言ってアレクサンドラは握った拳の甲で、コンとアウグストの肩を叩いた。

「ですね」

頷いたアウグストの声は随分と優しいものだった。

「はいはい、お二人さん。そろそろ撤収するわよお」

「そうですね。1度キャンプへ戻りましょう。………アレクサンドラ」

「なんだ?」

「本作戦の本番はここからです。……いつものようによろしく頼みましたよ」

「ああ……。任せておけ」

アレクサンドラは力強く頷くのだった。



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【CHAPTER2 残されたもの】
998Y.C. 森国シルヴェーア 帝国前線キャンプ

「さてキャンプに戻って来たはいいが…………休息前にフリッツ達の様子を見ておくか」

そう言ってアレクサンドラはキャンプ内をひとり歩き出した。



〔キャンプ内会話 陰鬱な帝国兵〕
「……"純白の戦女神"アレクサンドラ様……ですか?」

「……いや、ただのアレクサンドラだ」

「あなたがいるということは今回の作戦、勝利は確定ですね………」

「そんなことはないと思うが……」

「私はもう……誰の死も見たくありません……。………何卒よろしくお願いいたします」

「……ああ。期待に沿えるよう誠心誠意、尽力するさ……」


〔キャンプ内会話 テント前帝国兵〕
「まさか………"白銀の閃光" アレクサンドラ様!?」

「妙な二つ名で呼ぶのは勘弁してくれ……」

「……あー、申し訳ありません。いま、ほとんどの兵がテント内で休んでいまして……。本来一人ずつ、ご挨拶させたいところですが……」

「いや……いい。英気を養ってくれ」


〔キャンプ内会話 アウグスト〕
「ああ、アレクサンドラ」

「どうした?なにやら嬉しそうだが」

「ええ。先ほど商人と交渉したところ、安値で武器の融通をして、いただけることになりましてね」

「それはありがたいな」

「はい。それで貴女はなにを?……いえ、顔に書いてありますね。例の傭兵を探しているのでしょう?」

「あ、ああ」

「キャンプ内にはいるでしょうから、ごゆっくり」

「わかった。行って来る」


〔キャンプ内会話 ラプラス〕
「なにをしているんだ?」

「見ればわかるでしょ?商品を物色してるのよ」

「間違っても盗みなど働くなよ、赤猫」

「はいはい。心配しなくてもバレないようするわよ、白犬」

「き、貴様……!」

「そんなことよりいいの?なんとかっていう傭兵探さなくて?」

「……珍しいな、お前が気遣ってくれるなんて……」

「だって白犬が助けたお礼として、ここの商品全部買ってもらわないと♪」

「なにを馬鹿なことを……」

「命はお金じゃ買えないでしょ?それくらい当然よ」

「まったく……お前というやつは……」



〔キャンプ内会話 商人〕※戦闘食糧たまごカツサンドのレシピ
「そこのお嬢さん!たまごカツサンドお一ついかがかな?」

「たっ……たまごカツサンドだと!?」

「お、おう……」

「……悪いが、任務中なので財布を持っていなくてな……」

「そうかいなら仕方ないね」

「く……。私はなんて愚かなのだ……戦地に赴くだけかと思っていたが……。こんな出会い……二度とないかもしれないのに………」

「お、お嬢さんそんなに落ち込まないでくれ。こっちも商売なんで商品をあげることはできないが、レシピは教えてやるからさ」

「ほ、本当か!?感謝する!」

「ああ、ほらよ」


〔キャンプ内会話 帝国兵〕
「これは白狼将様!……フリッツという傭兵ですか?ああ……その者ならキャンプ内にいた気が……。ただもう一人は……」

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〔イベント会話 フリッツ〕
「……フリッツか?元気そうでなによりだ」

「アレクサンドラさん!はい、おかげさまで!」

「……もう一人の傭兵は?」

「ああ、クルトですか?あいつは……ここに辿り着く前に……」

「そうか……」

「俺達は傭兵なので、こんな日が来る覚悟はしてました。ただ………」

「ただ……?」

「……あいつの認識票を、どこかで落としたらしく……」

「認識票?個人情報を記したタグのことか?」

「それだけでも遺族に届けてやりたくて……。キャンプに来た時まで持っていたのは、覚えているのですが………」

「よし、了解した。私が探そう」

「いいや、それはさすがに……!」

「大丈夫だ、心配するな」
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