エピソードまとめ

□イェルシィ・トゥエルチュ・ハイナジン
15ページ/18ページ

ep.2 あなたと共に食卓を
─────────♢────────


998Y.C. 森国シルヴェーア オルクス山脈


〔道中会話〕
「そういえば前にレオレオとも、ここ来たことあったっけ」

「えっ!?」

「ん?」

「それは……どうしてですか?」

「んー、ちょっと前の任務でって感じなんだけどー。気になるかー?」

「いいえ……別にそういうわけでは……」

「ふーん?そういやその時、ミーちゃんの話もしたっけなー」

「ど…どうして私の話を!?」

「気になるうー?」

「からかわないで下さい……!」

「あはは、ごめんごめん。だってなんかレオレオもミーちゃんも、お互いの話する時、変な感じになるからさー」

「な、なな、なっ……なってません!」

「んー、これはあれかな?もしかしてお互いにイイ感じに思ってたり?」

「違います!」

「えー、即答するとこがアヤシー」


〔獣の群れ〕カンザリ、オタオタ、ワービー
「もーっ、また獣〜!?今、ミーちゃんとガールズトークしてたのに」

「……ふう。この山の獣は強力ですから、戦闘に集中しないといけませんね!」

「……なんか誤魔化してる?」

「してません!」


獣討伐後。
「ミーちゃん、やるじゃん!」

「イエルシィ先輩には及びません……」


〔道中会話〕
「で、えーっと……なんの話だっけ?そうだレオレオとミーちゃんの……」

「イ、イエルシィ先輩そろそろ中ですよ。源獣の祝福があるかもしれません」

「ホント!?」

「……今まで確認されている物は、山頂付近ばかりでしたが、この辺りにないとも言い切れませんから」

「確かに……。よーし、ミーちゃん右見て!あたしは左探すよっ!」

「承知しました!」

「……って言ったものの、あたしまだ霊草の特徴、聞いてなかった……」

「そうでしたね……、源獣の祝福は虹色の花弁を持つとされています。派手なので一目でわかるかと」

「確かに見つけやすそう!よーし、探すぞー!」


2人は辺りの草を見て回った。

「どう?それっぽいのある?」

「残念ながら見当たりませんね」

「そっか……。ん?なんか音がしない?」

上から何か聞こえた、気がしてイェルシィは首を傾げる。


「どわぁ〜!」

マヌケな悲鳴と共に上の崖からゴロゴロと何かが落ちてきた。

「いてて……ん?」

落ちてきたのは髭面の長髪の男だった。

「貴方は確か………」

ミシェルがその顔をみて驚く。
2人は彼に見覚えかあった。

「ガスパルさんだっけ?法王様直属のなんか偉いおじさん」

「ははっ、なんともざっくりした肩書きで」

そう笑いながらガスパルは立ち上がる。


「こんなとこでなにしてるんです?」

「あ、諜報活動だ!でしょ!」

「おっ、鋭いねえ。ま、それはともかく……おじさんを哀れに思うなら助けちゃくれねえかな」

「え?」

「いたぞっ!あそこだ!」

そんな声と共にぞろぞろと男達が山を下ってくる。

「ええっ!?なぜそんな人達に追われているんですか?」

「ちょっとねー。賭けで下手打って悪〜い人に命狙われてんだよな」

「なんですか、その理由!?」

「まあ、巻き込まれちゃったし仕方ないか。そん代わり"お礼"よろしく!」

「もちろん。助けてくれたら、どんなお礼でもしてやりますよ」


そう言って二丁銃でガスパルが敵を撃ち抜いて行くのを、イェルシィは槍で、ミシェルは創術で援護するのだった。

────────────────────


「やー、助かった助かった。さっすが聖騎士の卵。未来の"人間兵器"は伊達じゃないって」

双銃を仕舞いながらそう言うガスパルにミシェルは顔を顰める。

「……その言い方は」

「おっと、すまん口が悪いね、どうにも。ともあれ支援に感謝するぜ。さて謝礼だが……」

「お金はいらないですよ!」それより実は相談があって………」

かくかくしかじかと、2人はここに来た事情を説明した。

「へえ。その"トト"のために、獣の祝福をね」

「信じてくれるんだ!じゃ、協力してくれる?」

「それは……任務の途中だしなあ………」

「断れるのでしょうか?」

「……え?」

ミシェルの言葉にガスパルは、ポカンと口を開ける。

「ブレイズ二人に救援要請したでしょ。軍事行動と考えると、並の"お礼"じゃ足りないよね〜」

「それにガスパルさん。どんなお礼でもするって、ご自分でおっしゃってましたよね」

「ぐっ…。………はー、仕方ねえ。手伝ってやるよ」

「やったね!」

渋々そう言ったガスパルを見てイェルシィは喜んだ。


〔道中会話〕
「そのトトってのだけど……話聞いた感じ獣の分身体じゃねえの?アムル天将領のだから羊公タルルハンのか」

「源獣様がご自身の似姿を遣わしたということですか?」

「えー、でもトトはタルるんよりず〜っと可愛いよ!」

「タ、タルるん……」

「タルるんはねー。どーんと立派で頼もしい感じ。トトはほわほわっと可愛い感じ!ぜーんぜん別物でーす」

「それが判断基準か……」


〔道中会話〕
「やっぱりなかなか見当たりませんね……」

「まあ本命は頂上付近だろう」

「源獣の祝福のことガスパっちも知ってるんだ!」

「ははっ。ガスパっちねえ、締まらねえなあ。ま、それはともかくこっちも諜報部だ。
嫌でも様々な情報が入ってくる」

「へー、なんかカッコいー!」

「んなことよりこっから上は、なかなかハードですよっと。お嬢さん方、体力は?」

「平気平気!」

「これでもブレイズですから」

「頼もしいねえ」


〔獣の群れ〕ガンザリ、クランチャ、ワービー
「うっひゃあ!なんだなんだあ?」

「急に出てくるなんて反則だって〜」

「縄張りに入り込んで、しまったのかもしれません」

「そいつはうっかりだな。……だが気を抜くなよ」

「りょーっ!ビビってる暇なんてないもんね!」

獣討伐後。
「いっちょあがりっと!」

「なんとかなったな。さて、そろそろ例の霊草が発見されてるエリアだ」

「ここからは注意しながら歩いた方が良さそうですね」

「そればかりに気を取られるのも危険だがなな。この先の獣は最凶クラスだ」

「ヤバそうだけど頑張ってこ!」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ