エピソードまとめ
□イェルシィ・トゥエルチュ・ハイナジン
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ep.2 あなたと共に食卓を
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「お久し振りです、ドロテさん」
薬屋の中に入るとミシェルが直ぐに、中にいたおばあさんに挨拶をした。
「おや、あんたはブレイズの……」
「お願いです、あたしのトト……友だちを助けて下さい!」
「ど、どうしたんだい?急に」
イェルシィの勢いに、ドロテは驚いていた。
それを見てミシェルが、かくかくしかじかと説明をした。
「なるほどねえ……。それじゃあ薬草を袋に詰めておくから、これで様子を見ておくれ」
「ありがとうございます!」
「ただ、薬草が効くかわからないし、もしダメだったら、源獣の祝福を求めるしかないかもねえ」
医学に心得のあるミシェルに、ドロテはそう伝えた。
「そうですね………」
「これがあるならきっと大丈夫だよ!早く帰ってトトにあげなきゃ!」
そう言って、2人は急いでコルテン村からイーディス騎士学校へと引き返すのだった。
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998Y.C. 森国シルヴェーア イーディス騎士学校
「どうだ、イェルシィ?」
任務が入ったマクシムに代わって様子を見てくれていたヴァネッサがそう尋ねた。
学校へ飛んで帰って、直ぐに医務室に寝かしたトトに薬を与えたが、効いた様子がない。
「うん…寝てるけど……苦しそう……。薬草……。あげたのに………。苦しそうだよヴァネッさあん……!」
「イエルシィ……」
泣き叫ぶイェルシィをヴァネッサは心配そうに見つめる。
「……やはり源獣の祝福が、必要かもしれません」
「薬屋の人も言ってたけど……お祈りしろってこと……?」
「いえ。源獣の祝福は、霊草の名前です。オルスク山脈の奥地で極稀に発見されていて……高濃度のマナを宿し、奇跡の薬効を示すとか」
「それがあれば、トトは助かるってこと?だったら……。あたし行くよ」
「あの山は危険だ。私も……」
そう、ヴァネッサが名乗りをあげるとイェルシィは首を横にふった。
「ヴァネッさんはトトの側についてあげてて。誰かがいないと寂しがっちゃうから」
「代わり……にはなれませんが、私が同行します。霊草の場所には心当たりがありますので」
「……心得た」
「ありがとう二人とも!」
「行ってくるよトト、すぐに戻るからね……!」
そう言ってイェルシィは、ミシェルと共にオルクス山脈へと向かうのだった。
998Y.C. 森国シルヴェーア 連牙の緑野
「待ってろよー、"源獣の祝福"!ミーちゃんは霊草の特徴知ってるんだよね?」
「現物を目にしたことはありませんが……過去の報告書と採取者によるスケッチが残されています」
「じゃ、大丈夫だね!」
そう言って2人は緑の生い茂る道を進んで行く。
「でも……医務室でお話した通り、源獣の祝福は本当に珍しい霊草で、ほとんど伝説の植物なんです。だから……その…発見できる確証は……」
ミシェルは言いにくそうにそう言った。
「でも見つけないとトトは治らない。だったら絶対に手に入れなきゃ。……できるよ!あたしとミーちゃんなら!」
「……ふふっ。イェルシィ先輩と話してると、本当にそんな気がしてきます」
そこから二人は分かれ道を右に進み山道を登っていくのだった。
〔道中会話〕
「トトが治ったらたくさん、ごちそう作ってあげたいなあ。……ちゃんと栄養バランス考えたやつ!あっ、でも急にごちそうは体に良くなかったりする……?」
「そうですね……人と同じ基準で考えるなら、最初は薄めたお粥などが良いと思います」
「おかゆ!ヴァネッさんが好きなやつ〜」
「そうなんですか?」
「うん。特にアレンジしない普通の大麦粥が好きなんだって」
「栄養価も高いですし……ヴァネッサ先輩らしいですね」
〔道中会話〕
「……ふと思ったんだけどみんな優しいよね。トトのこと信じてくれてるじゃん?姿も見えないし声も聞こえないのに……」
「……この世は源獣様による驚異に満ちていますから、トトさんもそのひとつかと……」
「なるほどね世界は驚きでいっぱいか……。だから素敵なんだなー♪」
〔獣の群れ〕オタグリ、ウリドン、ゴウリドン、ワービー
「ううっ、そろそろ山の入口なのに!」
「とことん邪魔してきますね……」
「このあとのこと考えたら、あんま体力消費したくないんだけどなー」
「……むしろ山の獣と連携して、ここで侵入者を疲れさせる作戦とか……?」
「えっ、獣てそんな頭良いの!?」
「い、いえ、言ってみただけです……」
獣討伐後。
「どんなもんじゃい!」
「さすがですね」
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「ついに入り口ですね」
「こっから頂上までかー。めちゃくちゃ気合い入れなきゃね!」
そう言って2人はオルクス山脈へ入って行くのであった。