エピソードまとめ

□ヴァネッサ・モラクス
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ep.1為すべきこと
─────────♢────────



「では、探索を再開しましょうか」

「……はい」

「……どうやら、ヴァネッサさんは探索よりあの子達の方が気になるようですね」

「……申し訳ありません、大丈夫だろうかと、つい」

「謝るようなことではありませんよ」

「いえ、任務の最中に余計なことを考えるなど、ブレイズ……いえ、騎士を志す者として失格です」

「そんなにかしこまらなくても良いと思いますが……まあ気持ちは理解できます。あの子どもはあなたに どこか似ていましたから」

「あの子どもと私が似ていた……?髪の長さも体型もまったく違うと思いますが」

「そういう意味ではありませんよ」

「で、ではどのような……?」

「……そうですねえ。せっかくですから秘密にしておきましょうか」

「ええっ……」

「まああの子達のことなら 心配はないと思いますよ。ここから村までは遠くもないですし」

「……そうですね」

「あの男の子のヤンチャ振りなら。小さなトラブルくらいなら対処できそうです。きっと無事に女の子を送り届けてくれるでしょう」

「あの男児ですか……」

「なにか気になることでも?」

「いえ……自分でもよくわからないのですが、なんだか……懐かしい感じがしたものですから」


〔道中イベント〕

「地図によると……、……この先に分かれ道がありますね。右は上り道高い丘へと続いています。左へ行くと下り……沢筋へ出ます」

「どうなさいますか?」

「そうですねえ。まずは右を確認しに行きましょう。位置的に、丘の上からは周辺地域を一望できるはずです。それに沢筋って冷えるから好きじゃないんですよね」

「心得ました。冷えは行動を阻害します。妥当な判断かと」

「ここが例の分かれ道ですね。では、右の高台へ向かいましょう」



〔道中会話〕
「それにしても良い天気です。こうして丘を登っていると……。ピクニックのようだと思いませんか?」

「ピクニック………。あまり縁がないので良くわかりません」

「おやそうなのですか?では次の機会に是非ご一緒しましょう」

「次……というのは?」

「特に決まっていませんがそうですねえ……。それこそ、新入生の歓迎会をするというのはどうですか?」

「なるほどそれは……新入生にとってはいい鍛錬になりそうですね。もっとも手慣らしになる場所の選定は必要そうですが」

「……なにか物騒な勘違いを、されているような気がしますね…」



〔道中会話〕
「………最橋が見えますね。あの先が……帝国領」

「……リュシアン」

「どうかしましたか?」

「いつものあなたと様子が違って見えます」

「……私が?」

「はい、私の思い過ごしかもしれませんが。この丘を登るにつれて表情が固くなっています」

「……そうですか」

「やはり……帝国が近いからでしょうか?」

「……まああれです。私もブレイズである以上……帝国には思うところがあるということです。……見られたのがヴァネッサさんだけで良かった。学園では慎まないといけませんね」

「……他言はいたしません」

「うん。私の弱味一つお預けします」

「弱味だなどとは……いえ、心得ました」


〔道中会話〕
「かなり登ってきましたね。あなたが言った通りです。ここからなら周辺を一望できます」

「ええ、無事、今日の目的は達成できそうですね。ですが……油断は禁物ですよ。さすがにこの距離で危険はないとは思いますが。この先に見えるのは"エッジ"。聞かされていた作戦で言う"国境"先ほど見えた吊橋を渡れば………帝国の領地です」
「…心得ました」

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丘の頂上へたどり着き、2人はそこから世界を一望した。

「見えますか、ヴァネッサさん」

「……ジルドラ帝国、帝都ハイガルデン。孤独ラズィの膝下……」

「……その源獣の姿も、いつまで持つか怪しいですが」

「凄まじいペースでリアクターを 生産しているからですね。恵みをもたらす源獣の肉体を材料にするとは……、……冒涜です。帝国は源獣を畏れないのでしょうか?」

「……異れないのか。あるいは畏れるが故の挑戦なのか。連邦とはまた違う形で、源獣を見ているのは確かですねえ」

「このまま食い潰していけば、いずれ頂狼ラズィは消え去る……。その事実は明白なのに、よくそれを黙視できるものです。帝国の"文化"は私には理解しかねます。………失礼
。剣に過ぎない私が考えても詮無きことでした

「いえ、理解に苦しむのは当然です。……私もそうでしたからね。さて、見るべきほどのことは見ました。そろそろ基地に戻るとしましょうか」

「……いえ、リュシアン。そうもいかなくなったようです」

「おや、もう少し二人でくつろぐことをご所望ですか?」

リュシアンは呑気に悪ふざけを言っているが、その周りには沢山の獣が集まっている。

「……ここは撤退しますか?」

「そうしたいところですが、唯一、選べる道は……そこの崖?私の好み的には奇抜過ぎる戦術ですねえ。ここは正攻法で行きましょう!」

2人武器を持ち、集まった獣。バンスとオタイエそれにワービー。それらの元にに向かっていった。

「兵数の差だけを見たら、とても"正攻法"とは言えませんけどね」

「いえ、充分かと。我らブレイズは一騎当千……。……小癪な言葉ですが"人間兵器"。ケダモノ風情、どれほどいようと敵ではありません!」




獣討伐後。
「……出てきたのが帝国軍ではなくて助かりました。さあ基地へ戻りましょうか」
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