エピソードまとめ
□マクシム・アセルマン
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ep.2 恋をしたって本当ですか?
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「ふんっ、口ほどにもない!」
程よく三人を倒すと、彼らは急いで駅舎の上に引いた。
「こいつは強え!退かせてもらうぜ!」
そう言ってレオ達はスィナンと共に、駅舎の上を駆けて消え去った。
「お、おお!私を翻弄した悪党をいともたやすく追い払うとは」
回復し、起き上がったモルトが感動したようにそう言った。
「はっはっはっ。義を見てせざるは勇なきなりだよ、キミい!」
「若者と侮ったこと謝罪しよう。どうかお力添えを!」
「うむ!どーんと任せたまえ!」
上手く事が運び、マクシムは嬉しそうに力強く頷く。
「して、賊どもはいずこへ?」
「おそらく、北門だ。そこから源獣サンカラの前へ行くものと思われる」
「なるほど、なるほど」
「では、私は少しこの辺りを見回ってから行きます。皆さんは目的地へ」
「りょー」
イェルシィが気の抜けた返事をし、リュシアンと別れ、マクシムはモルトとイェルシィ共に北門へ向かうのだった。
【CHAPTER4 花は散れども心は綿】
998Y.C. ハザール商盟領 商都ワースバード
〔道中会話〕
「しかし、誘拐犯の足取りをよく追えたな」
「奴らが残した手がかりを集めたのだ。それによると、ここから北の源獣サンカラの前で、ボスと合流する手筈らしい」
「ふむ……。上手く情報を流したものだな」
「なんだ?」
「い、いやなんでもない」
〔道中会話〕
「でもさ、今回の事件って表向き誘拐だけど、ホントは駆け落ちなんでしょ?」
「……さすがに知られているか」
「まったく面倒なことをしてくれるものだな
!その男を速やかに仕留め処理しよう。すべて我々が片付けるから心配は無用だ」
「それはありがたい。殺傷沙汰は伯の名が廃る。しかし……これきりにしたいものだな」
「え?」
「……いや、なんでもない」
〔道中 盗賊集団〕
「うわっ、なんだこいつらは!?」
「誘拐犯の差し金か?」
「いや……それよりも…………。聞いてないぞこんな罠!あいつら〜!」
「危険物までも扱う極悪人と駆け落ちとは……お嬢様が心配だ!早く片付けるぞ!」
「……へえ。本気で心配してるんだ」
「当たり前だ。こんなつまらないことで命を脅かされる必要はない」
「……救われたあとに不幸が待っていても…か?」
「それは……」
盗賊討伐後。
「なんとか乗り切ったな……」
「先に向かおう」
〔街中会話 サンカラを眺める女性〕
「あたしがまだ小さかった時。ここから見るサンカラ様の姿は神々しいというより、なんだかちょっと怖かったの。でも今ならあれは畏怖だったってわかる。………あまりに偉大なものって尊敬より先に、恐怖を覚えることあるわよね」
〔道中会話〕
「……先ほど言っていたな、"救われたあとに不幸が待っている"と。なぜお前達が知っている?婚約の話は極秘情報のはずだ。この一件が駆け落ちだという、真実以上に極秘のな」
「そ、それは……」
「貴族の秘密なんて意味ないですよ。流れの傭兵はそういう情報で稼いでるし。それより気になるのは……あなた。望まない婚約は変だって気付いてるんでしょ?」
「……さあ。私は伯の意向に沿うだけだ」
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「あそこだ!」
源獣サンカラの前にオルタンスとスィナン、そしてレオ達を発見しモルトが指さした。
「そこまでだ凶悪誘拐犯!」
「貴様……出入りの商人風情が、お嬢様をたぶらかしおって!」
「……これは二人の意志だ」
「ええ。私が連れ出してもらったのですわ」
寄り添い合うスィナンとオルタンスはハッキリとそう告げる。
「目をお覚まし下さい!そんな男にお嬢様を、幸せにできるはずがない!」
「……では、あなたは彼女が好きでもない相手と結婚した方が幸せになれると?」
「く…それは……」
「なんだか知らないが御託はもう充分だ」
マクシムはそろそろ良いだろうと、作戦の為、話を切り出す。
「そうだね。あなたには誘拐犯として懸賞金がかかってるわけ」
「その首取らせてもらうぞ!」
イェルシィとマクシムはそう言って、槍と弓を構える。
「できるものならやってみろ!やれ、お前達!」
スィナンは凄い棒読みで、レオ達に命令を出す。
「しょうちいたしました。わたしたちにおまかせを」
スィナンの棒読みを遥かに上回る棒読みでヴァネッサが双剣を握り向かってきた。
「うーわ……これは……驚愕の棒読み演技……」
「配役ミスだな」
「ヒッヒッヒィ!切り刻んでやるぜえ!」
「………潰す」
そう言ってレオとセリアも攻撃をしかけてくる。
「こっちはなかなかだね」
「よかろう悪党ども!源獣に代わりて誅してくれよう!」
「ヒューッ、マッキ先輩もノリノリ〜!」
向かってくる後輩達の攻撃をいなしながら、マクシムは考える。
「……このあとが正念場だ。僕の弓でスィナンを死んだように見せかけたあと……死体の処理とレディの送迎を買って出て、二人を安全な場所へ逃がす……!……この計画の成功は僕の腕に掛かっている」