エピソードまとめ
□レオ・フルカード
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ep.1英雄の卵達
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【CHAPTER3 痕跡を追って】
998Y.C. 森国シルヴェーア ディランブレ戦傷地帯
〔道中会話〕
「ここから先は荒野になってるのか」
「元々ここも緑ある途中だったんだよ」
「それが帝国の侵攻によって荒野化しちゃったんだよね」
「なるほどな……」
「僕達の森が失われる前に帝国を止めないとね」
「ああ、わかってるさ」
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〔道中会話〕
「さっきのヴァネッサ先輩だけどさ…、本当凄かったよな」
「そうよね……。私、1年や2年後にああなれてる自信ないな……」
「リュシアン先輩も、あれかあれ以上の強さだもんな……」
「確かに先輩たちは凄いけど、僕達は僕達で今できることをするしかないだろ?」
「そうだよな……」
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〔道中会話〕
「えーと、この荒野の先に向かったのが…」
「イェルシィ先輩とマクシム先輩のはずよ」
「イェルシィ先輩か……」
「どうしたの?」
「いや……あの人ってグイグイ来るだろ?」
「確かに、人との距離感は近い女性かもね」
「まあ、レオのタイプは、ミシェルみたいなおっとりした子だもんね」
「そ、そんなことねえよ!」
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〔イベント〕
ふふ、ふふーん、と鼻歌交じりに歩くセリアが「きゃっ!」と悲鳴を上げ前方へコケた。
「な、なにこれ!?」
コケた彼女の左足に地面から伸びる鎖の様な物が繋がっていた。
「どうした、セリア!」
後ろで話し込んで居たレオとユーゴが慌てて彼女に寄るが、ウォーンとガルルの鳴き声が聞こえ慌てて武器を構える。
「足が……動かないの。でも、時間を掛けれれば自分で解除できそう」
「じゃあ僕達はその間獣からセリアを守ろう!」
「ああ、わかった!」
※ちなみにこのイベント中セリアを置いて先に進もうとすると「ちょ、ちょっと!どこ行くのよ!」と怒られます。
「セリアどうだ?解けそうか?」
「ええ……あと少し待って……」
「解除出来たわ!」
「よし、行こう!」
「いったいなんだったのよアレ」
「逃亡犯の仕掛けた罠かもしれないね」
「まったく姑息な手を使うヤツね」
「そうだね。でも、大事に至らなくて良かったよ」
「任務中に気を抜いてるからだぞ?セリア」
「う、うるさいわね!あんたに言われたくないわよ!」
「さっきの場所に罠があったってことは、逃亡犯はこの先にいるのか?」
「恐らくね。それに、他にも何か仕掛けられている可能性もあるよ」
「だってよ、セリア。気をつけろよ?お前危なっかしいんだから」
「…わかってるわよ!」
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〔道中会話〕
「つーか、犯人ってどんなヤツなんだろうな?」
「さっき話したじゃない」
「それは外見のことだろ?」
「確かに、連邦に潜入する度胸や、一定期間、施設に勤めるだけの知性…。それに獣だらけの森を1人で抜けられる力もある」
「戦闘も出来て頭もいい……か。なんかリゼット教官みたいだな」
「洞窟があるのってこの門の近くだよね」
「そうだね。左の脇道から行けるはずだよ」
「じゃあ門を抜けるとなにがあるんだ?」
「そっちには、小高い丘が続いてるよ」
「ホント、なんにも知らないのねレオって」
「う、うるせえな。ただの確認だよ確認」
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〔門左の脇道(崖)〕
「…え?ここを通るの……?」
「なんだ、セリアビビってるのか?」
「そ、そんなわけないでしょ」
「もうすぐ洞窟の入り口だな」
「洞窟の中は視界も悪いと思うし、何が出るかも分からないから気を引き締めて行こう」
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〔門の前の獣軍勢〕
「おいおい、こいつら、洞窟の門番気取りかよ?なら……こじ開けさせてもらうぜ!」
〔軍勢討伐後〕
「しゃあ!洞窟、こじ開けたぜ!」
「これでいよいよ、調査開始ね!」
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998Y.C. 森国シルヴェーア 鳴響の大口
「……なんか嫌な雰囲気だよな……」
「そうね……暗いし……じめっとしてるし……」
「ほらほら、二人とも。まだ洞窟に入ったばかりだよ?」
「……そうだよな。進むしかないよな……」
洞窟の雰囲気に気圧される2人の背をユーゴが押して進む。
「イェルシィくん!」
洞窟内の吊り橋を渡り始めた辺りでそんな声が洞窟内に響いた。
「キミというヤツはどうしてそうフラフラしているんだ?いいかい。この班におけるリーダーはあくまでこの僕なんだぞ!つまり、ルートの選択権はこの僕に……」
「あはっ、こっちの道なんか面白そう!行くしかないだろこれー。マッキ先輩早く早く!」
「聞きなさいよキミ!」
「……なんだ今の。先輩達の会話?」
「うん。マクシム先輩とイェルシィ先輩の声……だったよね?」
「おやおや、また分岐っすか〜。そんなら……こっち?はい、決定!」
「なあ、イェルシィくん。キミはいったい何を根拠にルートを決めているんだ?」
「あたしの大事なお友達が教えてくれるのさっ」
「それって……例の"親友"のことだよな?洞窟に巣食う別の何かが、手招いているわけじゃ……」
「あれ?マッキ先輩、膝ガクガクだ。手、握っとく?」
「い、要らんっ!」
「やっぱ先輩達の声だ。近くにいるのかな?」
「いや、それはどうだろう。この洞窟は弟が非常に複雑な反響をすることで有名なんだ。二人が近くにいるとも限らないし。こっちの声が届くかもちょっと怪しいかな」
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〔オタパプの大軍〕
「なんだ、こいつら?」
「オタオタの集会?」
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〔行き止まりの末、細道発見〕
「おっ、ここ通れそうだぞ」
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〔道中、反響して聞こえる先輩たちの声〕
「うわあっ!?なんだこの獣たち、突然人の姿に変身したぞ!?」
「あーっ!ねえねえねえ、なつかしいなあ!マッキ先輩、この子チルチルですよ!」
「チルチルってなんだ!?」
「ほら、アムル天将領にけっこーいるヤツですよ〜」
「アムルって……君の故郷のか」
「そうそう。ウーチルチル・グドゥフンっていうんだけど……」
「ウーチ……?」
「なんかねー、こいつって、人の記憶を元に変身すんの。これがもうほんっとそっくりで!やりにくいんだよねー」
「……記憶を元に変身する?いったいどういう理屈でそんなことができるんだね!」
「んー。ファンダジックでステキだから!というのがあたし的な見解かな」
「絶対そんなんじゃねー!」
「あ!ユッコだーっ!」
「知らないよ!?誰、ユッコ!?てか偽物でしょ?化け物でしょ?……って、こっち来てる来てる来てる!ぎゃっー!」
「ていっ!たとえユッコでも、マッキ先輩を傷付けちゃダメだろっ」
「そいつユッコ違う!そいつ化け物!……ええい!やるぞっ、イェルシィくん!僕に続けーっ!」
「先輩達……大丈夫かな?」
「仮にもブレイズの先輩だし問題ないとは思うけど……。それに僕達が加勢するにしても、声の出処が分からない限り……」
「結局、互いの目標地点であろう、最奥で合流するのが、手っ取り早いっつーことか」
「だね」
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〔騎士学校生徒に化けたウーチルチル・グドゥフンに遭遇〕
「な、なんだこいつらは……」
「先輩たちが言ってたアレじゃない?人型に変身する獣っていうの」
「あ、ああ……そうか」
〔ウーチルチル・グドゥフン討伐後〕
「これで先に進めるな」
「でも、なんか、行き止まりになってない?」
「マジかよ、どっか隙間とかねえのかな……
」
〔奥の細道を抜ける〕
「あのウーチ……とかいう獣。本当に人に化けるんだな」
「ああかなり本物の生徒に近かったね。惑わされないようにしないと」
「おーい!帝国の人そこにいるー?」
「ばっ、急に大声出すなよ!?びっくりする……じゃなくて!敵がいたらどうするんだ!」
「えー?そこはもう普通に出てきてもらったらよくないですか?」
「よくないですよ!?」
「ダメかー」
「不意打ち食らったらどうするつもりなんだ!」
「まー、そこはなんとか!マッキ先輩の腕前も頼りになるわけだしさ!」
「そ、そうかね?ふふふ……じゃなくて!」
「マッキ先輩意外と慎重派ですよね。あたしも安心して背中を任せられるぜ」
「はあ…。まったくキミは……。どうにも重みに欠ける。いいかね?僕は名門アセルマン家の次男だ。その僕と共に歩む者も最低限の威厳をだな……」