エピソードまとめ

□ラウル
15ページ/15ページ

ep.2 最年長者の頑張り
─────────♢────────



〔デモニオール戦〕
「これってお兄さん達が、目覚めさせちゃった感じ……だよね?」

「そうだと思いますわ。見たところ宝もなさそうでしたし」

「……てことはあんた達は、遺跡荒らしをした挙げ句、災害級の獣を呼んじまったってわけか」

「うっ」

「返す言葉もありませんわ……」


〔デモニオールHP残り3分の1〕
「閉じ込められてただけあって、鬱憤を晴らすように暴れてくれるねえ」

「こいつにとってオレ達は、久々の獲物なんだろうな」

「ここでわたくし達がトドメを刺さなければ、この獣が先に洞窟を出てしまいますわ!」

「……最悪だねえ」

「ええ、先を越されるなんて許せません!」

「そっち!?」

「……そもそもあんた達が、こいつを起こさなければ、誰も危険に晒されることは、なかっただろうがな」

「それは言わない約束っ!」


────────────────────


「やったみたいね」

獣を倒し終わった、3人の元にリディとシャルルがやってきた。

「ああ、バッチリ、トドメを刺したよ!」

「行列にいた人達は大丈夫だったんですの?」

「はい。あとは検問所の兵士に任せました」

アナマリアの問にシャルルが答えた。

「それは安心だ」

「でも、お嬢様を危険な目にあわせましたね」

目をかっぴらいてシャルルがラウルを見た。

「うっ……」

「その上、なんの収穫もないなんて、やっぱりラウルはエセ考古学者です」

「うううっ!」

シャルルの言葉責めにラウルがダメージを受ける。

「でも、楽しかったですわ!」

「アナマリアちゃん……」

「それにこの先が、もうオズガルド!わたくし………ワクワクが止まらないですわ!」

そう言ってアナマリアは検問所の門の先へ走り出す。慌ててシャルルがその後について行く。

「い……い〜い子だなあ、キミは!」

アナマリアに感激しながらラウルもその後を追う。

「……天然ってのも、たまには悪くないのかもな」

「そうね」

エドの言葉にリディも頷いて、5人で洞窟を出でるのだった。



────────────────────

〔エピローグ〕

5人は洞窟の先に続くゼヴォロン火山道を通って、山都ドルガノーアへ到着した。

「ここが、オズガルド領ドルガノーア……」

「まずは宿の手配をしに行きましょう」

「先に行っててくれるかい?宿の場所は知ってるからさ」

歩き出した4人の背に、ラウルはそう投げかけた。

「なにか用事か?」

「手紙を出さなきゃ、いけなくてね。学会に定期的に報告書を送らなきゃいけないのよ」

そう言ってラウルは荷物の中から便箋を取り出して、ぴらぴらと振った。

「ま、送る手紙はできてるからすぐ戻るよ」

「そういうことなら先に行ってるわ」

「よろしくねー」

再び宿へと歩き出した4人に、ラウルは手を振って見送った。

「……そう言えば、リディちゃん言ってたっけ」

手紙を見つめながらそう呟く。

「人の本質は常に見抜けるようにしておかないとね」

そう言って、こっそり右目をつぶってウィンクするのだった。

────────────────────

〔次回予告〕
次回、テイルズオブルミナリア
エピソード ラウル

ep.3 人に歴史あり

次はなにも起こらなきゃいいけど……
次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ