エピソードまとめ

□シャルル
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ep.1 源獣に至るもの
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「リディ!無事だったか!?」

エドのそんな声が聞こえて、シャルルは意識を戻した。

「ええ」

「……ひやひやさせるな」

「ん」

アグライアに寄って飛ばされたのはどうやら、ルディロームの街の中のようだった。

「遅かったね。お兄さん心配したよ。三人の方は何かあったのかい?」

「すごい体験でしたわ!源獣様!生で動いてしゃべって!」

アナマリアが興奮した様子で話す。

「はいはい。ちょっと落ち着こうかね。お兄さんは感動するよりも疲れちゃったよ……」

「やはり年が……」

シャルルがぼそりと毒を吐く。

「若くてもこれはさすがに疲れるっつうの!」

「たしかに、疲れましたわ。せっかくの観光も今日のところはお開きですわね」

「あなたたちは観光でルディロームに?」

「そうですの!他にも、世界中のいろんな所を回るつもりですわ!」

「そう……」

アナマリアの言葉を聞いたリディは少し考えた。

「リディ?」

嫌な予感がして、エドはリディに声をかける。

「ねえ、あたしとエドも付いて行っていい?」

「リディ!?」

何を言い出すんだとエドは目をかっぴらいた。

「源獣との対話を可能にする人材。ここで逃す手はないわ」

リディはじっと、シャルルを見つめた。

「……やはり、こいつの仕業か?」

エドもシャルルに視線を送る。

「なんです?」

「本人に自覚はなさそうだが、そんなのと一緒に行くことの危険性はわかってるよな?」

「シャルルになにかありますの?」

2人の様子を見てアナマリアは首を傾げた。

「ある」

「もしかして、それは問題ですの!?」

「かもしれない」

「大変ですわ!」

アナマリアは両手で頬を抑える。

「でも、この天才がいれば、なにかあっても万事解決」

リディはそう言って胸を張った。

「本当ですの!?その話、乗りましたわ!ねえ、シャルル。いいですわよね?」

「……お嬢様がそういうなら」

自分の身になにが起こっているのか、全く分かっていないシャルルは、渋々と頷くのだった。


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〔エピローグ〕

「じゃあさっそく、今日の宿を探しましょう!五人で泊まれるところを探さないと行けませんわ!」

「ん!?」

アナマリアの発言に、ラウルは驚いて目を見開いた。

「なんか、さらっとお兄さん数に含まれてる!?」

「え!?」

今度は、アナマリアとシャルルがキョトンとした。

「何を言ってるんですか?」

「なんで、そこでお兄さんが変なこと言ってる風になるの!?」

「どうせ暇なんですから、いいじゃないですか」

「ええー……」


「……本当にこいつらと一緒でいいのか?」

エドがリディにひっそりと確認を取る。

「追加の護衛料は払う」

「……ハア。毎度」

ため息を吐いて、エドはアナマリアとシャルルに詰め寄られているラウルを見た。

「だー!わかったよ!どうせ、この後の予定は特に決めてなかったし、しばらくは付き合ってやるよ!」

「最初からそう言えばいいんですわ!」

そう言ってアナマリアは歩き出す。

「さあ、まずは宿ですわ!」

やれやれと、諦めたラウルがその後について行き、お互いの顔を見合せたエドとリディも2人に続いた。
みんなが歩いていく中、シャルルだけ動かず、後ろを振り返った。

源獣アグライアの姿を見て、シャルルの人間とは違う赤い瞳孔が大きく開いた。

「シャルルー!」

アナマリアの呼ぶ声に振り返った。

「待ってください、お嬢様ー!」

そう言ってシャルルは急いでアナマリアの後を追うのであった。

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〔次回予告〕

次回、テイルズオブルミナリア
エピソード シャルル

ep.2 器の中身

お嬢様、次回も頑張りましょう!
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