エピソードまとめ

□ファルク
18ページ/18ページ

ep.2 亡霊を喰らう鷹
─────────♢────────



「ああ、ここまでか………楽しかったよファルク……」

腰から倒れたカリンは、そう言って、笑いながらファルクを見上げた。

「ケッ……、満足そうなツラしやがって。こんな惨めな死に方が満足か?」

「充分に……満足だよ。墓も…なにも……要らない………」

「解せねえな、貴族様なんだろ?」

育ちがいい、と戦いながら彼女自身が言っていた。

「なにもかも、持ってただろうによ」

「名誉、義務、格式………決まりきった人生は……うんざり………。しがらみもなく…逝くんだ……。名もなき………亡霊として………。なあ……なぜ、アンタは、亡霊をやめたんだい?」

「アンタの逆さ。オレは、なにもかも手に入れる。亡霊のままじゃ手に入らねえ……眩しい世界をな」

「ふふっ……。それほど、良いもんじゃ………ないよ……」

「価値を決めるのは、テメエじゃねえ」

そう言ってファルクはグッと剣を握った。

「……あばよ」

ファルクの剣は、カリンへと振り下ろされるのだった。


────────────────────

〔エピローグ〕

「それほど良いもんじゃない?ケッ、舐めやがって」

そう言ってファルクは息絶えたカリンを見下ろした。

「彼女にも思うところがあったのだろうね」

同じ連邦を裏切った者としてか、ユーゴは思うところがあるようだった。

「どうでもいいさ、もう死人だ」

そう言って背を向けるファルクの元にサーリムか駆け寄る。


「ファルク兄い!」

「おう、サーリム……」

ファルクは手に持っていた剣を背中にしまう。そして、駆け寄って来たサーリムを……


「この馬鹿野郎が!覚悟はできてんだろうな!?」

叱りとばした。

「ううっ……、ごめんなさい……。オレ兄いのためになればって……。……いや、本当は兄いに褒められたくて、認められたくて先走って……実力もないのに………、本当に……本当にすみませんっ!」

「クロードくん……」

アメリーがあまり叱らないであげてと言うように声をかける。

「……次はねえぞ。だから……余計なマネするんじゃねえよ……。妙な勇気を出して死なれたらたまったもんじゃねえ」

「は……はいっ!」

「えへへぇ〜」

「……任務も完了したことだし戻ろうか」

「ああ……もう外は朝になってんだろ。亡霊は二度と………出てくることもないだろうよ」


────────────────────

〔次回予告〕
次回、テイルズオブルミナリア
エピソード ファルク

ep.3 我らたとえ群れずとも

死にてえヤツからかかってきやがれっ!
次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ