エピソードまとめ

□アメリー・ロランス
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ep.1 ラック ハードラック ガール
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2人の渾身の一撃が刺さり、サヴァテンタは悲鳴をあげ、身体をうねらせ船上に倒れた。


「勝った……。勝ったよおおおお!」

アメリーが喜び勇んで拳を掲げた。
そんな中、サヴァテンタは傷付いた身体を引きずって海の中へ帰って行く。

「ま、オマエにしちゃ、上出来……」

ファルクがそう褒めた瞬間。船が斜めに傾いた。

「えっ、えっ、えええええええーっ!?」

アメリーは転びそのまま船の外に放り出された。

「アメリーッ!」

ファルクは急いで船の端まで駆け、手すりに捕まり下の海を見た。

「べぐぅ!」

アメリーの間抜けな悲鳴とグシャリという音が同時に聞こえた。

「……あ、あれ?」

船の外に放り出されたアメリーは運良く、サヴァテンタの上に落ち、その額にある(コア)のようなものに槍の刃が刺さっていた。

「マジかよ。まぐれ当り……つか、ラッキー……?いや、ラッキーなヤツはこんな船に乗り合わせねえだろ………」

呆然とするファルクにアメリーが下から手を振った。

「おーい、クロードくーん。助けに来てー。槍が抜けないしどんどん沈んでくう〜!しんじゃうよおおお〜!」

「ったく、帝国軍人がわめくんじゃねえよ。待ってろ、今行く」

「うん、急いでね〜。……あ、えへへえ〜♪」

アメリーはあるとこに気がついてニヤニヤと顔を緩めた。


「なにニヤニヤしてんだ?本格的にイカレたか?」

「だって"クロードくん"に返事してくれたあ〜♪」

まだニヤニヤと笑っているアメリーに反し、ファルクはすん、と真顔になった。

「……そのまま濡れて沈んでけ」

「ぎゃー、ひどい!上官見殺し!ぐんぽーかいぎー!!」

晴れた青空に、そんなアメリーの叫び声が響いたのだった。




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〔エピローグ〕

「部下だあああああ!?」

帝国軍本部にてそんなファルクの声が響いた。

「そうだ。貴官は本日付で"ロランス隊"に配属となる。以後は副隊長として、ロランス少尉の補佐の任に当たるように」

それを聞いてファルクは、頭を抱えた。

「両名とも皇帝陛下の御為に、最前線にて、より一層の奮励(ふんれい)努力を期待する」

「はいっ!お任せ下さ……」

そう言いかけてアメリーは、止まった。

「……あれ?あの、最前線って言いました?」

「いかにも。ロランス隊は独立性と軌道性の高い、いわば特務隊だ。戦場のみならず、諜報、破壊工作など様々な任に就いてもらう」

「わたっ、私が……危険な任務、に……」

アメリーは下でぎゅっと拳を握る。

「尚、各種手当や昇進については格別の配慮をするとの通達だ」

「へぐっ!?手当……昇進……」

アメリーはぎゅっむっと目を瞑り考える。

そうすれば、養護院への仕送りも増やせる……!

そう考えたアメリーはキリッと前を向き、胸の前に握った右手を出した。

「アメリー・ロランス少尉、拝命いたします!」

そうして敬礼した後、アメリーは、えへへえ、と笑ってファルクのことを見た。

「一緒に頑張ろうね、クロードくん!」

「へっぽこアメリーのサポート………オレ様が?悪夢だ……」

そう言ってファルクは天を仰ぐのだった。



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〔次回予告〕
次回 テイルズオブルミナリア
エピソード アメリー

ep.2 敗れざる者たち

次回も、アメリーファイトです!
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