エピソードまとめ
□ヴァネッサ・モラクス
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ep.1為すべきこと
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〔獣の群れ〕
「ふん。一人なら仕留めやすいと思ったか?ヴァネッサ・モラクスを甘く見るなっ!」
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「あれは……!」
獣の大軍を倒した先に体長が数メートルもある熊のような大型の獣がいた。
「こ、こないでえええっ!」
獣──ウルストスの前に、悲鳴をあげる女の子が居た。
「させんっ!」
ヴァネッサは双剣を握り飛び出した。
ウルストスに一撃を浴びせ、怯んた好きに女の子を姫抱きにし獣から避難する。
「お、おねーちゃん!?」
しがみつく女の子は驚いたような顔をしていた。
「すまない、遅くなった」
そう言ってヴァネッサはそっと女の子を地面に下ろした。
「貴様は……風格が違うな。さしずめ、この辺り一帯の獣の王といったところか?」
ヴァネッサはウルストスを、ぎっ、と睨みつける。
「ヴァネッサ・モラクス、いざ……」
チャキッ、と双剣を構えるヴァネッサの上に影ができた。
その影は、ウルストスの上に落ち、長剣を突き刺した。
「リュシアン!?」
上から落ちてきたのリュシアンだった。
リュシアンは暴れるウルストスの上から降りて、ヴァネッサの横に移動した。
そしてその小脇に抱えられていた男の子を女の子の傍に下ろした。
「それにその子は…!」
「二手に分かれてよかったですね」
「それは何よりですが……。まさか崖の上からの登場とは、奇抜すぎて好まない戦術だったのでは?」
「まあ、幸運だったということです」
「……あなたらしいですね。これで遠慮する必要はありません。あとは、なんとしてもこの子達を親元へ送り届けなければなりませんね!」
2人はウルストスの元へ駆け出した。
「連邦も任務も関係ない。これは私の戦いだ。我が決断において……貴様を倒す!」
「あなたの決意、しかと見届けました。ああ、まったく。やはり、あなたは立派な人だ!」
〔HP半分〕
「効いていますね」
「ええ、このまま片付けましょう」
「心得ました。すぐに終わらせます」
「ヴァネッサさん……。本当にいい顔つきになりましたね」
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ウルストスを倒した後、2人は子供たちを連れて、カシュール村に戻ってきた。
「ありがとうございます!ありがとうございます!改めて、お礼をさせて下さい……!」
村長がそういえば、奥から男性が大きく膨らんだ巾着袋を持ってきた。
「必要ない」
「しかし……それでは、なぜ助けて下さったんですか?敵国との戦争とは、なんの関係もないことですのに」
「……子ども達を助けようと最初に決断したのはリュシアンだ。それに……前にも言ったはずだ。為すべきことは為す。すべきでないことはしない。私は……私が為すべきことを……為しただけださ」
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〔エピローグ〕
「あ…あの……おねーちゃん……」
女の子が後ろから声をかけてきた。
「ありがとう、ね……。私達を助けてくれて。とっても、かっこよかった、です……!」
「ふふ、そうか。……兄はどうしている?」
「おにーちゃん、おうちで反省中……。そ、それで、ね……。これ……あげる」
女の子は後ろに隠していたものを両手で差し出してきた。
手に握られていたのは大きめの石で、その表面には絵が描かれていた。黒髪でメガネを掛けた人の絵だった。
「……わたしも、大きくなったら、おねーちゃんみたいな……すてきな騎士になれますか……?」
ヴァネッサは女の子の手を両手で包み込んでその場にしゃがんだ。
「……子どもよ。適切な鍛錬を積み重ねるんだ。毎日、毎日。たゆまず、怠らず……。きっと源獣はお前に報いて下さるはずだ。だが……鍛錬より大切なことがある。いつか騎士になった時に成し遂げたい夢。願い……。それを常に胸に抱いておけ。そうすればお前は騎士になれる。私よりずっと素敵な騎士に……な」
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〔次回予告〕
次回、テイルズオブルミナリア
エピソード ヴァネッサ
ep.2 剣の主
この剣、あなたに捧げます