【DEATH NOTE】L夢 甘夢 切甘 逆ハーレム

□Lの初恋!
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L『ああ、すまない。』

私はすぐに報告書に目を通す。(名前、生年月日、家族構成、血液型、仕事、趣味、その他…。)そこには、私が知りたかった彼女の情報が、ちゃんと載(の)っていた。

ただその中の、仕事に関しての記述を見た時。少し切なくなった。彼女は仕事を自分なりに一生懸命、精一杯頑張っている…。しかし、周(まわ)りは、彼女だけが出来ていないと思っている。とそう書いてあった。

私は、ふと彼女の涙を思い出す…。もしかしたら、彼女が泣いていたのは、この仕事に関する事で泣いていたのだろうか?

私がしばらく考え込んでいると、ワタリが、紅茶とスイーツを運んできて。それを、私の前に置いた。そして、私にこう聞いてきた。


ワタリ『L。この女性が、どうかしたのですか?』


そう、ワタリが聞いてきたので。私は、今日あった事を、改めてワタリに話した。神社に散歩に行った事。そして、そこで出会った、彼女の事を。

そんな私の説明を聞いたワタリが、微笑みながら、私を見て、こう言ってきた。


ワタリ『そうでしたか…。』


ワタリは、嬉しそうにそう言った。私は、何故(なぜ)ワタリが、そんな嬉しそうに、微笑みながら、私を見ているのか理由が分からず。不機嫌になりながら、ワタリに聞く。


L『ワタリ。何故(なぜ)笑っている?』


そう聞いた私に、ワタリが、改めて理由を説明する。


ワタリ『いえ、そうですか。L…。それは、恋というものです。貴方はその女性に、恋をしたのです。』


L『……恋……?』


私は、最初、何を言われているのか分からなかった…。恋?

ワタリは、いまいち理解出来ていない、私を真っ直ぐ見て、話す。


ワタリ『Lは、その女性の事が、仕事が手につかないほど気になって仕方が無いと言いました。そして、彼女の事をもっと知りたい。また彼女に会いたいと、そう思っているのでしょう? それは貴方が、その女性に【恋】をしているからだと、私はそう思います。』

とワタリが説明した。私が、恋? 彼女に?

勿論(もちろん)私も、恋の意味や、言葉くらいは知っている。だが、私には一生ありえない事だろうと思っていた。

そうか…。彼女の事がこんなにも頭から離れず…。彼女の笑顔を見たい。また彼女に会いたい。そう思ったのは、私が彼女に【恋】をしているからなのか…。

ずっと私の側で、私を見てきたワタリがそう言うのなら、間違いなく、そうなのだろう…。そしてワタリの、その説明を聞いた時。確かに私の中で欠(か)けていたピースが、カチリと嵌(は)まるような感覚がした…。

正直、私は初めての事で、どう対応したら良いのか、決め兼(か)ねている…。なので、私は、ワタリに聞く。本来の私に戻るには、どうしたら良いのかと。そんな私の問いに、ワタリが答える。


ワタリ『L。貴方のその気持ちを、そのまま彼女に伝えるのが、唯一(ゆいいつ)の方法だと、わたしはそう思います。』


とワタリは、私に言った。私は、正直迷(まよ)った…。私のこの想いを彼女に伝えると言う事は、彼女が危険にさらされる確率が高くなると言う事だ…。

それに、彼女が私をどう思っているのかも分からない…。そして、仮にもし私のこの想いを伝えて、彼女も私の事を好きで、両想いなれたとしても…。

彼女をちゃんと、幸せに出来るのかどうかも分からない…。でも、この想いを伝えず、何も行動を起こさず。彼女と別れる事も、納得がいかないのも事実…。

そして、もし私の知らない所で、彼女に何かあった場合の事を考えると…。それだけで、冷静な判断が出来なくなるだろう事も分かる…。何より、自分が後悔する事も、目に見えている…。そして考えた。

なら、答えは必然的(ひつぜんてき)に1つになる。何故(なぜ)あの時…。と後悔するぐらいなら、多少危険であっても、私の側に居て欲しい…。いや、むしろ私が彼女と一緒に居たい…。そこまで考えて、私は覚悟を決めた。


L『そう…ですね…。今度彼女に会ったら。自分のこの気持ちを、改めて伝える事にします。』


私がそうワタリに言うと、ワタリがまた嬉しそうに、私に微笑んだ。そして翌日、私はまた、神社へと向かった。また、彼女に会えるかも知れないと思ったからだ。

私は少し緊張しながら、初めて 雪と出会った場所に向かった。 雪…。貴女に会ったら、必ず私の、今のこの想いを伝える。

そう思いながら、私は、目的の場所に向かう。しばらく進むと、やっと目的地が見えて来た。そして、そこに居たのは…。 雪…。 雪が居た…。彼女は、初めて出会った時と同じように、桜吹雪の中で、佇んでいた。
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