main 長編

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翌朝、目を覚ました私は首を回し伸びていた
村長に怪しまれないようにいつも通り大人しく血を提供し、隙を見て天窓から脱出して三蔵さん達と合流する
そのためにも軽く身体を動かしておかなければならない



『……不安か?』



いきなり森羅に話しかけられて変な声が出た
私の反応をみて笑っているが、以前に比べて日中起きている時間が増えた気がする
第二解禁日に向けてなにか変化が起きているんだろうか
羽織に袖を通しながら森羅に言う



「そりゃあ不安だよ…確かにあの人達は強いんだろうけど、相手が村長だから」



そう簡単にいくのだろうか
嫌な想像が私の心を支配する
そんな私を知ってか、森羅は言った



『アイツらのしぶとさは俺のお墨付きだ、心配すんな』



その言葉に伸ばした腕を止める
やっぱり森羅は彼らの事を知っている?



「……ねぇ森羅、貴女三蔵さん達と」
『さ、雛菊。そろそろ宵風が血を取りに来る頃だろう?準備はいいのか?』
「…………」



それ以上聞くな、そんな声色をしていた
私は大人しく着替えて宵風が来るのを待った
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