main 長編

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カミサマとやらとの戦いを終え
傷も癒えた三蔵一行はジープに乗り山道を走っていた



「なぁ三蔵っ 腹減った!」



悟空は身を乗り出し、足をバタバタと動かした



「さっきからうるせぇ!落ちろ!」



三蔵は小銃を構え悟空に向けて引き金を引いた



「ちょっと三蔵サマ!?俺にも当たんだけど!?」
「知らん」



悟浄の長い髪が風になびく



「あ、ちょっと揺れますよ」



八戒は騒ぐ3人を気にすることも無くハンドルを切った
この山を抜けなければ彼らの目的である西には行けない
ただやはり山道というのは中々に勝手が分からないもので



「霧が濃くなってきましたね。三蔵、このままだとジープでは厳しいかと」
「仕方ねぇな。街までそんなかからんだろ、歩くぞ」



腹減ったー!という悟空の叫びが響く
しかし彼らの一旦の目的といえる街までは数キロもない
日が落ちる迄には徒歩でも辿り着けるだろうと4人は判断した
数メートル先が見えない程の濃い霧が辺り一帯に立ち込め、不気味な静けさが彼らを包み込んだ



「しっかし、こんな中襲われたらひとたまりもねーよなぁ」
「視界が悪すぎますね。お昼だというのにこんなにも暗いなんて」



道を見失わないよう注意を払いながら歩みを進めていると悟空がある事に気付いた



「なんかいい匂いしねぇ?飯の匂いだ!」
「ハァ?まだまだ街まであるだろ?ついにイカれたか猿」
「ちげぇって!ほんとにすんだよ!えっとー…こっち!」
「あ、ちょっと悟空!」



八戒の制止も聞かずに悟空は霧の中を進む
仕方ない、といった様子でその後を着いていく三蔵達
少し歩いて彼らが見つけたのは地図にはない小さな集落だった
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