NRC
□海よりも深く
2ページ/5ページ
オクタヴィネル。
此処がオレ達の陸での住処。
同じスクール出身のアズールと、三人で好きに遊べる場所。
モストロ・ラウンジで、ジェイドと二人のんびりサボるなんて初めてだ。
もう直ぐお昼だからって、ジェイドがキッチンで何か作ってくれるらしい。一応キノコ以外で頼んだけど…やっぱキノコあるんだろうな。
そんな事を考えながら、食堂から持ってきた珈琲を飲み干してソファーに寝転がる。
この寮は、居心地がいい。
海の中に居た時みたいで落ち着くし、何より敵が居ないから安心して居られる。
海には敵も多かったし、縄張りだとか色々なイザコザも沢山あった。
そういう殺伐とした世界に、オレ達は居たんだ。
「フロイド、出来ましたよ。ポルチーニのペペロンチーノと海藻のスープです。」
「…やっぱキノコじゃ〜ん、オレの意見総無視。」
「でも、シイタケではありませんよ?」
「そうだけどさぁ…。あ、でもイイ匂いする。」
「ポルチーニ茸は香りが良いんです。さぁ、食べましょう。」
「いっただきまーす。/いただきます。」
出された料理はやっぱりキノコで、でも香りがイイし腹減ってるし。
何よりジェイドが作ったから、文句は言ったけど完食した。
「夜は唐揚げにしましょうか。」
「何で?」
「たまには、アズールの好きな物を好きなだけ食べさせてあげたいなと思いまして。」
唐揚げ…出来れば今それ食べたかったなぁ。
でも夜までの楽しみが出来るからいいや。