NRC

□夜半に揺れる
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あの双子は学園でも目立つし有名だ。
いや…寮長を含めた三人が、というべきかな。
身長も高くてイケメンな二人は特に、遠くからでも直ぐに分かる。

「フロイド・リーチは、特に賑やかかもしれないな。お前は話しやすい、だから余計にかもしれない。」

「…話しやすい…?僕が?」


表情を緩めたツノ太郎が、ゆっくりと頷いて頭を撫でてくれる。
褒められたのが、擽ったい。あまりこんな風に言われた事が無かったから、どうしていいか分からない。

「あ〜〜っ!!小エビちゃん何してんの、夜更かししちゃダメじゃん。」

急に響いた声に心臓が口から出そうなくらい驚いて、反射的にツノ太郎にしがみついた。
そんな僕を背中に隠す様にしてツノ太郎が声の主に向かい合う。

「夜半にその様な大声を出すとは、オクタヴィネルは躾がなっていない様だな。」

オクタ…ヴィネル?え、もしかして双子?

「おや……何方かと思えば…。まさか貴方の様な方がいらっしゃるとは、驚きました。僕等はただ、彼にお届け物を渡しに来ただけです。」

三人の会話を聴きながらどうにか息を整えると、庇う背中から顔を出し二人を確認した。
本当に双子だった。噂話なんてする物じゃないな。反省。
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