NRC

□深海に漂う
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「…ジェイドってさぁ…」

「それはフロイドも、でしょう?」

小走りで立ち去る小さな背中を見送りながら、二人で笑いつつ言葉を交わす。
打てば響く人間は、とても面白いオモチャだ。

最近気付いた。
ジェイドはあの人間と居る時、他の寮生の時みたいな痛さが無い。
トゲ?というか…ブン殴るみたいな痛さがある言葉が少ない。
無自覚なのか何なのか、オレにも分かんね。

何時もビクビクして弱そうで、オレ等より小さくて細い人間。
揶揄うと面白いし、楽しい。

「ジェイドはさ、自覚ねぇの?」

「それはフロイドも、でしょう?」

「…?」

オレも、って何?
意図が読めなくて首を傾げたら、楽しそうなジェイドが続ける。

「貴方が楽しい事、それは僕にとっても同じ、なんですよ?」

…ああ、そうか。
オレ等は同じなんだった。

妙に納得して、思わず笑ってしまった。
ジェイドの肩を抱いて、顔見合わせて、また笑う。

不思議な生き物である人間は、オレ等の興味を最高に惹くオモチャだ。
壊さない様に、ゆっくり、ジワジワと追い込んだら……きっともっと楽しい。

御伽噺の人魚だと思ってたら、噛み付いて締め上げちゃうよ?
…だから、さ…。



「もっと、楽しいコト…しよ?」



end.


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