NRC
□特殊な能力
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「何を難しい顔しているんです?フロイドまで…珍しいですね。」
意外そうに言う彼に事の始まりを説明すれば、納得された挙げ句に答えまでくれた。
「双子の神秘、という言葉をご存知ですか?人間にも双子は沢山居て、彼等彼女等の間にはテレパシーに似た感覚があるそうです。意思疎通というには不可解な、痛みや悲しみ、喜びまでも共有してしまうケースもある…と何かで読みました。君達もそうなのではありませんか?」
テレパシー。
確かに言われてみれば、考えや感情を察する…というには説明が付かない部分もある。
双子の神秘、成る程。
「何それ、オレ等スゴくね?」
「本当ですね…言葉が要らないとなると、楽で良い。」
「え〜でもやっぱ聞きたいじゃん?」
「確かに。そういう事は言葉で聞きたいですよね。」
「…待ちなさい、何の話です?」
二人顔を見合わせ話していると、間に入ってきたアズールが困惑した表情で問い掛ける。
ああ、主語が抜けていましたね。
「大事な事、本心などは、ちゃんと言葉で聞きたい。という話ですよ。」
「今のくらい分かんないと、俺等と会話出来ねぇよ〜?」
悪戯に笑うフロイドはアズールの反応を心底楽しんでいる。
僕もフロイドも彼と対等で、どちらが上でも下でも無い。其れをフロイド也にアズールに伝えているのだ。