NRC
□夜半に揺れる
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僕とグリムの居るオンボロ寮に、夜中時々来る人(?)が居る。
ツノがあるから、僕はツノ太郎って勝手に呼んでるけど…歳上…だよね。
でも承諾は得てるからいいか。
そしてオクタヴィネルでの一件以来、食えない双子も時々来るし、エーデュースもしょっちゅう来る。
僕の唯一安息の地である寮は、一気に賑やかになりつつある。
「悩ましい表情だ、悩み事か?」
今は夜中。トイレに起きて窓から外を見たら、枯れ木の元にツノ太郎を見付けて少しだけ話している。
「え?いや、悩み事って程の事じゃ…。ただ、最近この寮も賑やかになったなー、と思って。」
「…賑やか…?」
ツノ太郎が居る時は、大概が二人きりだからピンと来ないらしく首を傾げている。
そりゃそうだ、こんな時間に来るなんて普通に考えたら迷惑だよ。
でも、騒がしく無いツノ太郎は、迷惑じゃない。
静かに僕のペースに合わせてくれて、時々アドバイスもくれる。
「前に話したでしょう?オクタヴィネルの件。あれ以来、リーチ兄弟も時々来るようになってしまって…。」
「…あぁ、あの双子か。」
腕組みした彼が小さく呟いて、納得したように一つ頷いた。