NRC

□特殊な能力
1ページ/3ページ


まだ人の姿になる前。
そして後にこの学園に入ってから。
アズールにもクラスメイトにも何度も言われた事ですが、何が不思議なのかサッパリ分かりません。

僕等双子は、産まれた時からずっと、何をするのも一緒です。
同じ時を過ごし、遊び、笑い。
同じ物を食べ、分け合い…それが当たり前。

「ジェイド、どーしたの?」

昼休み、食堂でお昼を食べながらふと考え事をしていると、隣からフロイドが問い掛けてきて意識を向けた。
首を傾げる姿が愛らしく、思わず笑みが溢れる。

「いえ、少し考え事をしていただけです。」

「な〜に考えてた?」

「僕等は何故言葉を交わさず理解し合えるのか…と皆さん不思議そうに聞いて来るでしょう?僕にはそれが不思議で、何故なのか考えていたんです。」

そう、それが至極当たり前過ぎて、何故分かるのかなんて考えた事は無かった。
そう答えればフロイドも考えを廻らせ始めて、食事を済ませてから二人で考えてみた。

「ジェイドの考えなんて分かるに決まってんじゃん。だって俺だよ?」

「そうなんですよね、フロイドは僕ですから分かるのは当然なんですが…。」

二人廊下を歩きながら考えを廻らせていると、不意に呼び止める声を聞き脚を止め振り返った。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ