NRC
□夜半に揺れる
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「あ、の…届け物って…?」
恐る恐る問い掛けると、小さな包みを差し出され受け取る。
何だろう、僕の持ち物じゃないと思うんだけど…。
「此方はアズールからです。僕等からもこれを。今回はご迷惑を掛けてしまいましたので、細やかながら御礼です。」
「一応さ、悪かったなーと思ってるし。貰ってくれるよね?」
…要らないって誰か言えるのかな…月明かりを背景に逆光で微笑むこの双子に。
恐すぎる…!
「あ、り、がと、ございます…。」
何とか御礼を言うと、二人は帰路へついた。
去り際、ツノ太郎に何か呟いて。
「……成る程、賑やかだったな。」
僕からは見えないけど、そう呟いたツノ太郎は少し機嫌が悪そうで、少しだけ恐かった。
ともあれ、再び訪れた眠気を告げると一度頭を撫でられてからおやすみを言って部屋へ戻った。
ツノ太郎は、どの寮なんだろう。
また聞きそびれちゃったな…。
それよりこれ何だろう。
渡された包みを開いてみると、綺麗な銀のブレスレットと翡翠色のカフスボタン。
え……と…、いつ身につければ?