@めいん@
□1 不運からの幸運
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ゆぅは海の向こうから水が跳ねる音を感じ取った。翼を大きく広げて音のする方へ向かっていくと何十頭ものイルカが飛び跳ねていた。
『イルカかよ…』
諦め半分に戻ろうとするとなぅが目の前に飛び上がってきた。
『お兄!!!!』
そう言ってまた海へと戻っていった。なぅがいる海面近くまで降りて持っていた実をなぅに見せた。
『なぅ生きてたか、良かった。腹減ってるなら木の実食べるか?』
ゆぅはなぅに白い実を渡した。なぅはパクッと食べ始める。よっぽど、お腹が空いていたみたいだ。
『なぅ。その体…人魚?』
『そだよー‼自分で動けるのー‼‼いいでしょっ♪』
なぅは嬉しそうにゆぅに答えていた。ゆぅはそれよりもなぅの体の変化に気になっていた。
『体なんともない?大丈夫か?』
なぅも背中の方を気にし始めていた。
『なんか背中が気持ち悪い〜』
そう言うとなぅは海の中に潜りもう一度飛び上がった。すると背中から白の翼が生えさっきまでヒレだったのが足に戻っていた。
『なにこれー!!!!』
なぅは2回目の絶叫をした。
『とりあえず島に行こう。こんな風に動かすと飛べるから。』
なぅはもう一度海に戻ると人魚の姿に変わっていた。少し潜って飛び上がったところで翼を広げると人間の姿になっていた。
『おまたせ♪島にいこーっ‼』
張り切って飛んでいるなぅはとても楽しそうに見える。ここがどこだかわからないのに呑気な2人だった。そんな2人にも同じ疑問が残っていた。
『ここどこだと思う??』
『どこだろーねー???』
『おそらく漫画のワンピースの世界だと思う。』
ゆぅには確信があった。浜辺で海に足を入れた時力が抜けていったのだった。
『能力者は海に嫌われる。だから俺はカナヅチなったんだろーな』
笑いながら言っているゆぅも楽しそうだった。
『とにかく今日は島で休もっ!
聞き込みは明日にしよう!ね!!』
なぅにそう言われては何も言い返せない優しい兄のゆぅ。
2人は島でひと休みする事になった。