短編(ブック)
□幸せの象徴となる二人のお話
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それは唐突だった。
新聞なんて普段は読まないカタクリ。
その時は本当にたまたま遠征中に気まぐれに手に取った。
ニュース・クーの新聞は部下が買っていた。
何があるかわからないからと情報収集の為に買ったものを
たまたま手に取ったカタクリ。
それを読んだ時衝撃が走った。
美味しいドーナツにであった時の衝撃に似たものを——
それは20に満たない少女の
「5億」の懸賞金がかけられたという手配書。
名を「モンキー・D・アリア」
ただの一目惚れだったらよかった
だがカタクリは彼女が欲しかった。
身近に置いておきたかった。
しかし逆に自分のこの顔を見てなんていうか
怖いと言われて拒否られてしまったらと
怖かった。
その懸賞金は気がつけば撤廃され
現在持っている「5億」の「水姫」としての手配書は
今や限定品と化していた。
一部の知り合いかコレクターの手にしか残っていない。
さらに月日が経ち
また手配書が発行された。
「水の悪魔」として少し成長したアリアの写真と共に…。
カタクリはそれをも手にしてコレクションとして
社に飾っていた。
「水の悪魔」としての手配書の金額が上がる度に
手配書は更新され続けている。