短編(ブック)

□ロシナンテハピバ!
1ページ/2ページ

サニー号はなだらかな海域を進んでいた。
そんなある日

7月15日の朝

食堂の扉が開く。

サンジ「まだ朝メシにゃァ……アリアさん!!
 おはようございます♡
 どうしたんです?」
『梅干しってあるかしら?』
サンジ「梅干し? あるにはあるけど……
 用意しようか? 朝食の時にでも」
『うん あ! 今の方がいいかな……
 少し酸味が欲しくて』
サンジ「……? んじゃ 少し待っててくださいね!」

サンジは手際よく小皿に梅干しを数個乗せて
アリアへ手渡す。

サンジ「これで大丈夫ですか? レディ」
『うん ありがとう
 また朝食の時に来るわ』

アリアはそういと部屋からでる。

昨夜ロビンに許可を貰っており
梅干しを傍らにおいて花を摘む。

『これでよし!』

それらを持ってアリアは
マストの上 海や空を見渡せる場所へと登る。

『さて……ロシィ
 今日も来たよ 誕生日……』

アリアは手を合わせて静かに
大好きだった海兵の顔を思い浮かべる。

『…………フフッ
 きっとまだドジやらかしてるんだろうなァ……
 それで笑うんだ……しまったって……』

梅干しを一つ口に入れて
アリアは思い出を一つ一つゆっくりと思い出す。

『…すっぱ……』

小さくつぶやいたその言葉は海の音にかき消されていく。

『絶対にあなたの成し得れなかった事を
 彼と……果たすから
 見ていて…………ロシィ』

花は少し強く吹いた風に飛んでいく。

『!』

上に舞った花は花弁を落としていった。

『………っ ロシィ』

幼い頃 小さな島で行った
花畑で花をいっぱい持ってきたロシナンテ。
ドジだったがためにそれらをこけたと同時に
アリアの頭にばらまいた。

それを思い出したアリアは
膝を抱えて梅干しをまた一つ口に入れた。

『……大丈夫…大丈夫よ』

花をばらまいた時に言った彼の言葉は

—ロシ「うわっ!! ドジッた!!
 だ 大丈夫か!? アリア〜〜〜!!
 って 花びらいっぱいついちまったな……
 花嫁さんみたいだな!! 
 ………うゥっ なんだかお前が嫁にいくと思うと涙が……っ
 お前は!! おれが認めた相手じゃないと許さないからなァ!!
 いいか! おれが大好きなアリアのお婿さんは
 おれが決めるんだァ!!」

最後の方は怒りに任せてなのか
小さなアリアにはわからなかったが
今になって思う

『父親かよ……』

アリアは笑っていた。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ