長編(ブック)

□第九十七話
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慌てるホグバック。
その隣に涙を流すシンドリー。

ホグ「おいおい どうしたシンドリーちゃん!!
  体が動かねェ? 一体何を言ってんだ!!?
  そのウソくせェ涙も止めろ!!
  主人に服従する事のみが貴様らゾンビの存在意義だ!!
  魂さえあれば動けるまでの体になれたのは一体
  誰のお陰だと思ってんだ!?」
シン「涙は勝手に…!!
  体が…動かない…」

ロビン「……——まるで体の持ち主が抵抗してるみたいね」
チョッパ「……10年前に本人は死んでるのに……!?
  魂のない体にも…意志ってあるのかな…」
ロビン「——それはきっと…世界中の図書館で調べてもわからない事ね」

シンドリーは無理やり体を動かす。

シン「ウウッ…!!……ハァ…ハァ!!
  ……!! 二人を…殺します」

ホグ「おお そうだ やっと正気に戻ったか シンドリーちゃん!!
  よし!! 充分時間を稼げ!! おれが逃げ切るまでな!!」

ロビン「残念…何らかの“奇跡”を…想像したのに
  “一二輪咲き”!!!」

シン「!!?」

シンドリーの体に巻き付く腕。

シン「う」

その間にすたこらさっさと逃げ始めるホグバック。
だがその時———

ホグ「うお!! 何だ この揺れは!!
  またオーズの奴だな!?」

驚いているホグバックに
背後から追いついたチョッパーがホグバックを捕まえる。

ホグ「うお!?
  うぬ…くそ!! この海賊鹿………!!
  一端の人間ぶって“死体”の肩なんざ持ちやがって!!
  てめェが人間ですらねェクセによ!! この怪物野郎!!!」
チョッパ「ウチの船長なら怪物でも…!!
  サイボーグでも魔獣でもエロでもネガティブでも!!
  何だって従えられる!! お前らみたいに物言わない死体を服従させなくてもな!!!
  ロビーン!!!」

ロビン「いいわ 任せて “脚場咲き(ピエルナフルール)”!!」

チョッパーの足にロビンの能力で次々に足が縦に生えていき
ホグバックはチョッパーに羽交い絞めにされながら宙に浮く。

ホグ「うおおおおお!!!
  ちょーちょーちょーっと待て待て
  何すんだ Dr.チョッパー
  こんなトコから落ちて頭でも打ったら お前
  世界の財産!! 天才の脳ミソがカチ割れちまうぜ!!!」
チョッパ「構わねェ!! 腐ってんのはゾンビよりお前らの頭の中だ!!!
  “ロビッチョスープレックス”をくらえ!!!」
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