長編(ブック)

□第十九話
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宴も盛り上がってきたところで

クリケットはこういった。


モンブ「ジャヤ到着の日!!
   1122年5月21日の日記」

ルフィ「ノーランド!!」

ウソ「ノ〜〜〜ランド!!」

モンブ「――その島に着き
   我々が耳にしたのは
   森の中から聞こえる奇妙な鳥の鳴き声と
   大きな それは大きな金の音だ
   巨大な黄金からなるその鐘の音は
   どこまでもどこまでも鳴り響き
   あたかも過去の都市の繁栄を
   誇示するかの様でもあった
   広い海の長い時間に咲く文明の儚きによせて
   たかだが数十年生きて
   全てをする風な我等には
   それはあまりにも重く言葉をつまらせる!!
   我々はしばしその鐘の音に立ち尽くした―――!!」

ナミ「素敵 巨大な黄金の鐘だって」

ウソ「おっさん 何だよ
  やっぱノーランド好きなんじゃねェかっ!!」

『日記の内容を覚えるくらい何度も読み返してるのかしら』


クリケットは何処からともなく何かを取り出した。

それは手のひらより少し大きなサイズの

「黄金の鐘」だった。


モンブ「これを見ろ」

ウソ「うわっ!! “黄金の鐘”!!!
  ―――で どの辺が巨大なんだ!?」

モンブ「――別にこれが その“鐘”というわけじゃねェ
   鐘形のインゴットだ
   これを3つ海底で見つけた!!」

ルフィ「何だよ あるじゃん 黄金都市」

ショウ「そーいう証拠にゃならねェだろ
  この量の金なら何でもねー
  遺跡から出てくる」

チョッパ「“インゴット”ってなんだ??
   何だコレ」

ロビン「――だけど
   この辺りに“文明”があった証拠にはなるわね
   “インゴット”は金をグラム分けするために加工されたもの
   それで取引がなされてた事になるわ」

モンブ「――そう
   それに前文にあった奇妙な鳥の鳴き声…
   おい マシラ」

マシラ「オウ」

ウソ「わっ!! まだあんのか」

ゾロ「こっちのはデケェな!!」

モンブ「これで全部だ ハハハ…!!
   10年潜ってこれだけじゃ割に合わんが…」

ナミ「うわあっ……綺麗………!!」

『面白い鳥ね…こんな鳥 見たことないわ』

サンジ「“黄金の鐘”に“鳥”……
   ―――それが昔のジャヤの象徴(シンボル)だったのかねェ…」

モンブ「わからんが これは…
   何かの造形物の一部だと思うんだ
   こいつは“サウスバード”と言って
   ちゃんとこの島に現存する鳥だ」

ルフィ「鳴き声が変なのか?」

モンブ「ああ 日誌にある通りさ」

マシラ「“サウスバード”と言やあ
  ――昔から船乗りの間じゃあ……」


とここで言葉が止まる。

そしてクリケットは何かを思い出したように叫び出す。

これに驚いたが―


モンブ「こりゃまずい
   おい お前ら 森へ行け!!
   南の森へ!!」

ルフィ「は!!?
   何言ってんだおっさん アホか!?」

モンブ「この鳥を捕まえてくるんだ!!
   今すぐ!!」

ウソ「何で!!? 何が??」

サンジ「鳥が…何だよ!?」

モンブ「いいか!! よく聞け…!! 
   お前らが明日向かう“突き上げる海流”
   この身先からまっすぐ南に位置している…!!
   そこへどうやって行く!!?」

ルフィ「船でまっすぐ進めばいいだろ」

『ちょっと待って!
 ここは“偉大なる航路”… 
 真っすぐ進んでも南へはいけない…』

ナミ「……そうか…目指す対象が“島”じゃなくて“海だから
  頼れる指針がないんだわ……!!
  じゃ…どうすれば真っすぐ南へ進めるの!?」

モンブ「その為に鳥の習性を利用する!!
   ある種の動物は体内に正確な磁石を持ち
   それによって己の位置を知るという」

『ええ ハトとかサケはその習性を持ち合わせているわ』

ルフィ「じゃあゾロ お前は動物以下だな」

ゾロ「てめェが人の事言えんのかよ!!」

モンブ「“サウスバード”はその最たるものだ
   どんなに広大な土地や海に放り出されようとも
   その体に正確な方角を示し続ける
   とにかく!!
   この鳥がいなきゃ何も始まらねェ!!
   “空島”どころか
   そこへ行くチャンスに立ち会うこともできんぞ!!」

「「「えー!!?」」」


こんなことがありバタバタと準備をして

クリケットの家を出て南の森へと向かった。

クリケットたちは船の強化をするという。

続けて夜明けまでに一羽捕まえて来いという。
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