長編(ブック)

□第六話
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”赤い土の大陸”を出発して

数時間で天候が一気に変わった。


『雪? さっきまで晴れていて気温も暖かかったのに…』


雪は船にすぐにつもり

ルフィとウソップは雪だるまを作って遊んでいた。


ルフィ「おっしゃ できた!!
  空から降って来た男 ”雪だるさん”だァ!!!」

ウソ「はっはっはっは……
  まったく低次元な雪遊びだなてめェのは!!」

ルフィ「何っ!?」

ウソ「見よ おれ様の魂の雪の芸術っ!! 
  ”スノウクイーン”!!!」

ルフィ「うおお スゲェ!!!
  よし 雪だるパンチ!!」

ウソ「何しとんじゃ おのれェ!!!」

ルフィ「がァ――――っ!!!
  雪だるさん!!!」

『フフッ 楽しそうね 
 雪なんて向こうで降らなかったからね』

ルフィ「おう! アリア も来るか?」

『ううん 
 ここで見てるのが楽しいから大丈夫よ』


サンジ「しかし この気温でその恰好は大丈夫ですか? 
   マフラー貸しましょうか?」

『いいのよ サンジくんが寒いでしょう? 
 冬島なんて行ったことなかったから
 それに適した服を持ってなかったのよね』


ベジ島を出たときの格好のままルフィ達を見ていた。


サンジ「どこかで買えるといいんですが…」

『大丈夫よ 
 寒かったらルフィを湯たんぽ代わりにすればいいから』

サンジ「なにっ!! クソ羨ましい!!
  おれが代わりになりましょうか?」

『え?……
 それより 背後からナミがにらんでるけど?』

サンジ「はっ! 雪かき! 
  続行しまーす!!」

ナミ「止むまで続けるのよ!!」

サンジ「はぁ〜い♡」

『フフッ』

ナミ「アリア  中に入らなくって平気?」

『大丈夫よ ナミは温まってて』

ナミ「見てるこっちが寒いのよね……」


そんな楽しい雪日和もすぐに一変する。

厚い雲が現れ雷が鳴り始める。


『気候が変わった……
 それに方角が…いつの間にか変わった?』

ナミ「あ―――――っ!!!」

ルフィ「な!! 何だ どうした!!!」

サンジ「何事っすか ナミさん!!!」

『方角がずれてたんじゃない?』

ナミ「ええ……180度 船を旋回!! 
  急いで!!」

ウソ「180度!? 何で引き返すんだ!」

ルフィ「忘れ物か?」

ナミ「違うわよ!! 
  船がいつの間にか反転して進路から逆走してるの!!!
  ほんのちょっと「記録指針」から目を話したスキに!!! 
  波は静かだったのに…」

『なるほどね…
 記録指針から少しでも目を離せば命とりってことなのね』


中ではMr.9とミス・ウェンズデーが海の恐ろしさを語っているが

それにキレたナミは二人を甲板へと追い出した。


ナミ「ブレイスヤード 右舷から風を受けて!!
  左へ180度船を回す!! 
  ウソップ三角帆を
  サンジくん舵とって!!」

ウソ「おう」

サンジ「まかせろナミさん!!」

ナミ「うるさい!!」

ウソ「おい待て風が変わったぞ!!」

ナミ「うそっ!!」

『春の気候ね』


9&ウェン「「春一番だ」」


ナミ「何で!!?」

ウソ「ゾロ!! 起きろ!!
  緊急事態だぞ!!」

ゾロ「ぐー」


ルフィ「おい!! 向こうで今イルカがはねたぞ行ってみよう」

『今それ所じゃないわ!! 
 波が高くなってきたわよ!』

ウソ「十時の方角に氷山発見!!」

サンジ「ナミさん 霧だ!!!」

ナミ「何なのよ この海はァ!!」

『氷山にかすったわ!』

ルフィ「船底で水もれ!!」

ナミ「すぐに塞がなきゃ!」

ウソ「よっしゃ!」

ナミ「雲の動きが早いっ!!
  帆をたたんで!!
  あの風は大きすぎる!!」

サンジ「みんな食え!!! 力をつけろ!!」

ルフィ「おォ!!」

『ルフィ!! 食べ過ぎよっ!!』

ルフィ「いてっ!!!」

ウソ「やべェ 帆が裂ける!!」

『ねぇ! 船底もう一か所やられてるわ!』

ウソ「畜生ォ!!!」

ルフィ「ナミ 指針は!?」

ナミ「またズレてるっ!!」

ウソ「何ィィ!!」


個々がバタバタ動き回り

ようやく気候も海も安定した場所へとたどり着いた。

ここまで来た段階で私たちは疲れ果てていた。


ただ一人を除いて…


ゾロ「ん〜〜…くはっ 
  あ―――寝た…ん?
  おいおい いくら天気がいいからって
  全員ダラけすぎだぜ?
  ちゃんと進路はとれてんだろうな」


これにキレないものはいないだろう。


ゾロ「!?……なんでお前らがこの船に?」

9「おそ―――っ!!!」

ルフィ「今そいつらの町へ向かってるんだ」

ゾロ「まだか送ってやってんのか?
  何の義理があるわけでもなし」

ルフィ「うん ねェよ」

ゾロ「おーおー 悪ィこと考えてる顔だ…
  名前何つったかな お前ら…!!」

9「ミ……Mr.9と申します」

ウェン「ミス・ウェンズデーと申します……」

ゾロ「そう…
  どうもその名を初めて聞いた時から
  ひっかかってんだ おれは
  どこかで聞いたことがあるような…
  ないような…!! まァ いずれにしろ !!!!」


ここでゾロに拳骨をお見舞いするナミ。


ナミ「…あんた今まで 
  よくものんびりと寝てたわね 
  起こしてもグーグーと……!!」

ゾロ「あァ!?」


にらみ返そうとしたゾロに再度拳骨をお見舞いする。


ゾロ「????」

ナミ「気を抜かないで みんな!!  
  まだまだ何が起こるかわからない!!!
  今やっとこの海の怖さが認識できた 
  ”偉大なる航路”と呼ばれる理由が
  理解できた!!
  この私の航海術が一切通用しないんだから間違いないわ!!」


この言葉に落ち込む甲板にいるみんな。


ウソ「大丈夫かよ オイ」

ナミ「大丈夫よ!! 
  それでもきっと何とかなる!!
  その証拠に…ホラ!!」


ナミの指刺す方向には―


ナミ「一本目の航海が終わった」

ルフィ「島だァ!!!
  でっけーサボテンがあるぞ!!!」


サボテンが目印のウイスキーピーク。


ルフィ「ここがウイスキーピーク」

『ついたのね』

9「よかった 無事に着いた……!!」


二人は急に動き出した。


9「それでは我らはこの辺でおいとまさせて頂くよ!!」

ウェン「送ってくれてありがとう
  ハニー達 縁があったらいずれまた!!」


「「バイバイベイビー とうっ!!」」


ナミ「え!?」

『船を降りた…』

ナミ「行っちゃった……」

『何だったんだろ……』

ルフィ「ほっとけ!! 上陸だ―――っ!!」

ナミ「正面に川があるわ 船で内陸へ行けそうよ!」


船は川へと進んでいく。
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