長編(ブック)

□第五話
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まだ雨が止むことのない海を進み続ける麦わらの一味。

船首で前を見ていたルフィが声を上げる。


ルフィ「おい大変だ!!!
   ナミ 光がとぎれた
   やべェな!! 
   ”導きの灯”なのにな」

ナミ「灯台の灯だもん そりゃ途切れもするわよ 
  そのために航海士(ワタシ)がいるんでしょ? 
  大丈夫方角くらい覚えてるから」

ルフィ「ほお やるな お前」

『ルフィ いい加減そこ降りなさい 
 滑って落ちたりしたらどうするの?』

ルフィ「いーや この場所はおれだけのもんだ!」

ナミ「誰が譲れっつたのよ!!」

『危ないって言ってるんでしょ!』

ナミ「………しかし まいったな………
  このまま進むと噂通り…!!」

『あの噂は本当かもしれないってことね』

ナミ「ええ…」

ルフィ「噂?」

『いいから降りてきて一旦中に入りましょう』

ルフィ「おう!」


船の中に入ってタオルで拭きつつ外の様子を確認する。


ルフィ「アリア! こっちだこっち!」

『ん? はいはい』


椅子に座り後ろから腕が伸びてきておなかで手を結ぶ。

ルフィは肩越しからテーブルを眺める状態だ。


『うわっ 冷えてるじゃない…』

ルフィ「にしししっ」

『風邪引かないでよ? 
 船医はいないんだから』

ルフィ「どこかにいねェかな」

ナミ「いい!?」


ナミはテーブルに海図を置いてみんなに見せる。


ナミ「”偉大なる航路”の入り口は山よ」


ウソ「山!?」


ナミ「そう! 海図を見て 
  まさかとは思ってたんだけど 
  これを見て
  ”導きの灯”が誘てたのは
  間違いなくここ 
  ”赤い土の大陸(レッドライン)”にある
  リヴァース・マウンテン」

ゾロ「何だ 山へぶつかれってのか?」

『それは違うわ 
 山には運河が流れてるのよ
 その運河に乗って向こう側へ行くの』

ウソ「運河!? バカいえ 
  運河があろうと船が山を登れるわきゃねェだろ!!」

ナミ「だってそう描いてあんだもん」

『私も昔行った島の書物で見たことがある』

サンジ「そうだぞお前ら
  ナミさんとアリアさんの言うことに間違いがあるかァ!!」

ゾロ「そりゃバギーから奪った海図だろ!? 
   当てになるかよ」

ルフィ「山登んのか 船で!! 
  おもろ―――っ!! ”不思議山”か」

ゾロ「だいたい何でわざわざ”入口”へ向かう必要があるんだ 
   南へ下れば入れるんじゃねェのか?」

ルフィ「それは違うぞ お前っ!」

『ルフィ! 急に立ち上がらないの! 
 危ないわねっ…』

ナミ「それにはちゃんとわけがあんのよ」

ルフィ「入口から入ったほうが気持ちいいだろうが!!」

『この子はっ……』

ナミ「違うっ!!」


そんな話をしていると―
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