長編3(ブック)

□第二百三十五話
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旧 「王の台地」 地下——
錦えもんサイド——

スクラップ場の下

そこで錦えもんはようやく探し人を見つけた。

錦「会いたかったぞォ〜〜〜
 よくぞ無事で〜〜〜っ!!
 カン十郎ォ〜〜〜〜〜〜っ!!」
カン「錦えもん!! よく戻ってくれた!!
 スマンな 少々捜させたか 
 壁の中にて隠れ飽きて眠っておったわ」

「壁の中から人が……」

頭をかしげる周りの人たちを置いて
二人は再会を喜んでいた。

錦「ずいぶん待たせた」
カン「カッカッカ!!
 信じておったゆえ ヘチマの皮とも思うておらぬわ水くさい!!
 それがしの妖術があれば
 食う物には困りはせぬのでな!!
 いやなに 別段 腹など空いてはおらんのだが」

葉物野菜を食べる派手な格好をしている男
ワノ国の侍 夕立ちカン十郎

カン「モモの助さえ無事でござれば」
錦「無論!! おぬしのお陰でござる!!」
カン「萵苣だ 食うか?」
錦「イヤ いらぬ
 おぬしのは腹に障る」

ざわつくそこにやっと気づいた二人。

カン「よし 出ようか!!
 何やら上が騒がしいな!!」
錦「一言には言い難し!!
 話す事はいくらでもある 後程詳しく!!」
カン「あいわかった!!」

カン十郎は持っていた筆を使って
壁に絵をかき始めた。

「絵?」

カン「出でよ!!」

すると絵は壁から出て来て飛び始めた。

「まさか!! 描いた絵が動き出したぞ!!」
「能力者か!?」

周りの人たちもびっくり。

カン「“抜け雀”!!!」

「うおー!! 絵に描いた鳥が現れたァ!!」

しかしその絵は完璧ではなく
少し独特な絵をしていた。
周りは能力は凄いのに画力が……と思っていた。

カン「ゆこうぞ!」
錦「うむ」

二人はその雀に乗り込んだ。
だが画力の低い鳥は飛ぶのが苦手なのかフラフラしていた。

「ちょっと待ってくれ!!
 我々 今までオモチャにされていた旧リク王軍及び市民!!
 この事態が何事かは知らんがリク王様は無事なのか!?」
「町には家族もいる 我々も釣れ出してくれ!! 頼む!!」
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