長編4(ブック)

□第三百八十九話
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ヤマト「がんばれ モモの助君!!
 “焔雲”を出せ——!!」
モモ「そんな事言われても!!
 ムリでござる!! 出ぬものは出ぬ!!」

モモの助は焔雲を出そうと思ってもなかなか出ずにいた。

モモ「ムリでござる!!」

—トキ「モモの助!! 錦えもん達と共に行き……
 20年後の未来できっと 「光月家」を再興するのです!!」
—モモ「ムリでござる〜〜〜!!!
 では母上もひよりもいっしょに」
—錦「モモの助様!! もっとお辛いのは母君にござる!!」
—モモ「!?」
—錦「ここは侍の国!!
 恥は命に値する国!!
 女が覚悟を口にしたのに男が口答えするなど!!
 赤っ恥でございますぞ!!」
—モモ「せっしゃこどもにござる!!」
—錦「お言葉ですが おでん様亡き今
 ただの童(ワッパ)ではおれませぬ!! 正直言うなら
 拙者達に今一度!! 戦うチャンスをくれませぬか!!
 このまま燃えて死ぬ命なら……!!
 主君の為の剣をふるい散りたく候!!
 武士としての死に場所をくれませぬか!!」
—モモ「…………!!」

モモの助はトキから離れる。

—トキ「モモの助……!!」
—モモ「…………!! うう……!!」
—トキ「!」
—モモ「母上……母上 せっしゃ!! ゆぎまする!!!」
—トキ「……ええ」

それが母との別れとなってしまった。
そんな思いをして無理だと駄々をこねては

モモ「母上に………!! 合わせる顔がない!!
 待て!! ダメだ——!!
 ダメだ!! 都へ向かうなー!!」
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