長編4(ブック)

□第三百四十三話
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花の都 門外 「えびす町」——

「丑三つ小僧が来てくれた!!」
「都じゃ泥棒の話は出てないのに!?」
「でも金が」

町では大騒ぎ。

「明日の“火祭り”
 参加はできねェがこれで水でも飲もうや!!」

喜ぶ者達がいる一方——

九里 「おこぼれ町」——

ホール「山賊共の山は焼き払った!!
 ——だが復讐に来るでもなく!!
 「農園」の食糧は大量に盗まれ続けてる!!
 何か知ってるよな……!!」

ホールデムは町民を脅して聞こうとしていた。

ホール「どうなんだ」
「いや……何も!!」

だが町民達はヒソヒソと話し始めた。

「侍達は討ち入りの準備してるって噂」
「もしやそれが原因か?」
「だとすりゃ気づかれちゃなんねェぞ!!」
「どうする!?」

ホール「何コソコソ喋ってんだ!!!」

そんなホールデムの前に立ったのは

鶴「案内するよ あたしが!!
 だからみんなに手出しはやめとくれよ!!」

「お……お鶴さん!!?」

ホールデムに捕まっていた人は解放。

ホール「案内!? 何を知ってる!!」
鶴「ついて来ればわかる
 少し遠いけどね……」

お鶴は分かっていた。
錦えもんがこのワノ国に帰ってきている事。
食糧が大量に必要な状況な事。
お菊が菊の丞である事も知っていた。

―鶴「こっちは任せて!!
 お前さん達を捜させやしない!!
 光月の国を取り戻しとくれ!!」

お鶴は気丈にふるまう。

だが

「お鶴さん!!
 おれ達を庇うのはやめてくれ!!」
「もういいんだ!!
 死ぬ前に腹いっぱい食ってみてェって
 夢は叶ったからよ!!」

鶴「え……!!」
ホール「あァ……!?」

ホールデムはこれを聞き逃さなかった。
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