長編4(ブック)

□第三百五話
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その頃——
21:00 ナワバリ内——
ベッジの船——

サンジとベッジの意見が割れていた。

サンジ「ふざけんな!!
 そんな事は……ハァ…ハァ…
 絶対に許さねェ!!」
ベッジ「このケーキはビッグ・マムが必ず口にするんだろ!!?
 毒や爆薬を仕込まねェバカがどこにいる!!
 「四皇」の一角を一人消せるんだぞ!!?
 今がどれ程チャンスかわからねェのか!!?」
サンジ「黙れ!! これはコックのプライドを賭けた勝負だ!!
 くだらねェマネすんな!!
 敵は“味”で打ち負かす!!」
ベッジ「あァ!!? 夢見てんじゃねェよ!!
 今日まで世界中のうまい菓子を食って来たビッグ・マムの
 想像を超えるケーキを作るだと!?
 不可能だ!!!」
サンジ「ああ 作れなきゃおれ達の命はねェ!! 
 望む所だ!!」
ベッジ「成功したって奴はおれ達を生かしちゃおかねェぞ!!
 ——さては知らねェな……ビッグ・マムが昔 何者だったか!!
 今消さなかった事を後で必ず後悔するハメに……」

サンジはそんなベッジの口に生クリームを入れる。
すると——

ベッジ「! ぎゃあああ〜〜〜♡♡」
「頭目!!」
「ファ〜ザ〜〜〜!!」
「てめェ頭目に何をしたァ〜〜〜!!」
ヴィト「黒足ィ〜〜〜!!」
「頭目に一体何を食わせやがった!!」
サンジ「聞いてみろ」

倒れたベッジは笑顔で

ベッジ「死ぬ程うまい♡
 このクリーム」
「美味さで死にかけてたァ〜〜〜!!!」
サンジ「いいか ベッジ……
 暗殺はお前の自由
 ——だが それはおれが客の腹を満たしてからにしろ!!」
ベッジ「…………!!」
サンジ「食いてェ奴には食わせてやる!!
 ——それがコックの仕事だ!!」

その言葉に倒れてのは——

「プリン様!?
 なぜあなたが!?」

シフォン「ベッジ!
 今回は私も久々に腕を振るってるの!
 信じて! お菓子の力っ!!」
ベッジ「………」

ボーっとするベッジ。

ベッジ「ああっ くそ
 ……何か催眠にでもかかったみてェだ!!」

口の中に広がる幸福感に混乱するベッジ。

シフォン「さァ 急ぐよ! ナッペは完了!?」
「もう少し!!」
「シフォン様 コック二名 甘い香りの犠牲に!!」
シフォン「気をしっかり持って!!」
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