長編4(ﾌﾞｯｸ)
□第三百五話
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ﾀﾞｲﾌｸ「こざかしいウサギがァ〜〜〜！！」
「「うわああ———！！」」
「「ギャ———！！」」
ﾅﾐ「船から船へ飛び回って……
——ホントにすごい……」
ﾁｮｯﾊﾟ「な！？ あんな事できたのか キャロット！！
あいつおれの妹分っ！！」
ｼﾞﾝﾍﾞｴ「月の周期と空模様が味方すれあやつら相当に強い……！！」
ﾅﾐ「！」
『あれは一体……！』
ｼﾞﾝﾍﾞｴ「ミンク族は満月の夜 陰りのない月を見つめると
記憶の奥底の更なる野生が呼び起こされるという……
その白く狂暴な姿を人は“月の獅子”と呼ぶ……！！」
ﾅﾐ「スーロン……！？」
ｼﾞﾝﾍﾞｴ「本来の変身は我を失い
無差別に危害を加える迷惑なものなんじゃ……
人にとっても自分にとってもな……」
ﾅﾐ「！ どういう事？」
ｼﾞﾝﾍﾞｴ「ミンク族はアレを制御できねば
一晩で戦い疲れて死んでしまう」
ﾁｮｯﾊﾟ「えェ！？」
『そう言えばベポは暴走状態になっちゃうって聞いた事ある……
って事は制御する訓練を積まなければ
使う事すらできないって事？』
ｼﾞﾝﾍﾞｴ「そういう事じゃ」
ﾌﾞﾙｯｸ「諸刃の剣……
命を削る戦術というわけですね……」
ﾅﾐ「！」
ﾌﾞﾙｯｸ「キャロットさん 敵の舵を奪うとは実に名案
しからば私も接近戦になる前に助太刀してまいります！！」
ﾁｮｯﾊﾟ「助太刀って……！！ ブルック！？
海に落ちちゃうぞ！？」
『え？ 大丈夫でしょ？
ほら』
アリアが指を指す先にでは
ブルックが海を走っている姿だった。
ﾌﾞﾙｯｸ「ヨホホホホホホ〜〜〜〜〜♪」
ﾁｮｯﾊﾟ「そうだあいつ海の上走れたんだ！！
軽いから！！」
ﾅﾐ「前方の航路確保は二人に任せましょう！！
後ろにも敵はいる！！」
ﾁｮｯﾊﾟ「おう！！」
『船を守らなきゃ帰れないからね』
ビッグ・マムの様子がおかしくなったのはここからだった。
ﾋﾞｯｸﾞ「ゼー ゼー
プロメテウス……」
「………！？
ペロス兄！！ ママが変だぞ！？」
ﾋﾞｯｸﾞ「ゼウス……」
ﾍﾟﾛｽﾍﾟﾛ「ペロリン♪ ああわかってる！！
やせてきてるし息遣いもヤベェ……！！」
「ひとまず今ゼウスとプロメテウスを呼びよせてます！！
ママがそうしろと……！！」
ﾍﾟﾛｽﾍﾟﾛ「食いわずらい発症からもうおよそ8時間！！
こんなに癇癪を止められなかった事はねェし……
腹減ったママも見た事ねェ
おれ達にとってもこの先のママは「知らぬ怪物」だ
ペロリン♪
カカオ島まで持つのか……！？」
「——そういえば ペロス兄！！
「ケーキ」は今こっちに向かって
プリンが船で運んでると連絡が！！」
ﾍﾟﾛｽﾍﾟﾛ「ん！？ 本当か！？
——まさに救いの神だ！！」
「——いや それがよ 兄ちゃん！！
確かにプリンなんだが
ケーキを運んでるのは……
ベッジの船だと……」
ﾍﾟﾛｽﾍﾟﾛ「！！？
………！？ ペロリン？？
なぜ“暗殺者”達の船に
国を救うケーキが載ってんだ！！？」
「……わからねェ……」
ﾍﾟﾛｽﾍﾟﾛ「どうすんだ！？ もうその「ケーキ」は
信用できねェじゃねェか……！！！」