長編4(ブック)

□第三百四話
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カカオ島 ショコラタウン
港——

「オーブン様がベッジに撃たれたァ〜〜〜!!」
「あいつらはもう終わりだ!!」
「ベッジ!! お前らは完全に包囲されてる!!」
【海に逃げ場はないぞ!!】
「陸もだ 観念しろ!!」
「さァ 船から降りて来い!!」

だが船は止まらない——

オーブン「戦いを選んだか 
 ——いいだろう おれが処刑してやる!!」

プリン「どうしよう姉さん!!
 出航できない!!」
サンジ「………」

ベッジ「——ケーキを船で運ぼうとしたら
 あわやオーブンに捕まったってとこか シフォン……」

船が止まらない事に焦り始める。

「船を泊めろ ベッジ!!」
「自爆でもする気かァ!!?」

オーブン「何を考えてるベッジめ!!」

船は陸へと進む。

「のり上げやがった!!」
「狙い撃てェ!!」

ベッジ「どいてな兄ちゃん達
 この船「ノストラ・カステロ号」は
 水陸両用だってんだよォ!!!」

「「「うわああああ!!!」」」
「「「ぎゃああああ!!!」」」
「パドルがキャタピラになった!!」

船に押しつぶされる者達。
逃げ惑う者達。

オーブン「聞いた事ねェぞ!!?
 そんなギミック!!」

船からベッジの部下達が銃を撃ち始める。

「「撃て——!!」」
ベッジ「言った事ねェからな!!」

ここぞとばかりにいい顔で
そう言いのけたベッジ。

「うわ——!!」

ベッジ「裏切ると決めてる奴らに手の内を明かすかァ!!」

「ギャ———!!」

ベッジ「シフォン!!」

シフォン「!」

ベッジ「ケーキをこっちに移せ!!」

シフォン「え!?」
「無茶な!! こんなデカイケーキを」
「あんな速度の船に受け渡すなんて!!」
「………ん?」

すると荷台が浮き上がる。

「「「!!?」」」
「うわァ!! 荷台が浮いてる————!!」
シフォン「何が起きてるの!?」
サンジ「甲板を開けろ!! ベッジ!!」

サンジが二台を蹴り上げていた。
プリンはそのカッコよさに鼻血を散らした。

「プリン様ァ!!」

ベッジ「黒足……!! よし来い!!」

オーブン「誰だあいつは!! 足一本で……
 コックか??」

荷台はベッジの船にぴったりと納まる。

「すっげェ〜〜〜〜〜〜!! 黒足ィ!!」
「のったァ〜〜〜〜〜〜!!」
「何だこのいい香り♡」

シフォンとベッジは抱き合う。

シフォン「ベッジ!! ベッツ!!」
ベッジ「ケガはねェか妻よ!!」

「プリン様しっかり————!!」

プリンは倒れたままだった。

ヴィト「さ…さすがジェルマ♡」
サンジ「ジェルマじゃねェ!!」

オーブン「……」

船の前にはオーブンが立ち向かう。

「オーブン様お逃げください!!」

オーブン「来い!! 受け止めてやる」

と息巻いたはいいが
ブチっと轢かれてしまう。

「「「轢かれたァ〜〜〜〜〜〜!!!」」」

シフォン「南東の海へ出たいの ベッジ!!」
「ホギャー オギャー」
シフォン「おー よしよしベッツ
 少しうるさかったね〜〜〜」
ベッジ「チョコの家を多少踏み潰すぞ?」
プリン「全員で出航する為には仕方ないっ!!」

パウンドは船を見る。

シフォン「まだいる……誰なのあいつ……変態?」
「?………」

パウンドが笑顔で手を振ると
ベッツが笑顔で手を振り始める。

「キャハハハ」
シフォン「え!? どうしたの? ベッツ」
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