長編4(ブック)

□第三百一話
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別室——

「第1厨房 料理長 ブッシュ
 入ります!」

するとプリンは記憶を改ざんし始める。

工場内——

ラビヤンの中にいたサンジは
ようやく出て来た。

サンジ「おい 降りる
 ふー」
シフォン「ごくろうさま」
サンジ「時間がもったいねェんで
 包まりつつウェディングケーキの設計図を描いといた」
シフォン「! 覚えてるの!?」
サンジ「だいたいな」

サンジは描いた設計図を見せる。
すると——

シフォン「え!? 形ならまだしもなぜ素材までわかるの!?」
サンジ「香りで」
シフォン「!!」

これにはシフォンが度肝を抜かれた。

プリン「さァ 急いで!! 一刻を争うわ!!」

プリンは着替えていた。

サンジ「うおほ——!!
 コック姿のプリンちゃんもまたカワイイな——♡」

これにはプリンも倒れる。

「プリン様いかがなさいました!?」

そしてサンジへコック達は——

「頑張りましょう! 旦那様!!」
サンジ「?」

プリンは小さな声で——

プリン「コックさん達の記憶から“事件”を抜いたの
 ——つまり 彼らの中では……
 「式は行われ私達は……け……結婚してる」
 「だけど不慮の天候によりウェディングケーキが台無しに!!」
 「ママは怒り急遽ケーキを作り直す事になった」
 ——これが書き換えられたストーリー
 ケーキを作った記憶はまだ鮮明だから役に立つわ!!!」
サンジ「成程」

設計図をみていたコック達は驚きの声を上げる。

「こ!!……この設計図とレシピは一体誰が!?」
サンジ「間違いがあったら言ってくれ」
「旦那様!! あんたがコレを!!?」
「完璧だよ!!
 シュトロイゼン様が1週間かけて考えた隠し味まであってる!!」
「腕がいいと噂には聞いていたがすげーなアンタ!!」
「そしてくしくっもこのケーキ作りが夫婦として
 初めての共同作業になるわけですな!」
サンジ「そうなるなーっ 照れる♡」
プリン「!!!」

プリンはまた発火して倒れる。

「どうなさいました? 奥様」
シフォン「やめたげて!! 死ぬっ!!」
プリン「お……おくさ……」

照れてる内心より——

プリン「お…夫ヅラしやがったら息の根を止めてやるからな……
 サンジ……!!」
サンジ「急遽そろえてくれ
 均質化なしのミルク・甜菜・
 バナナ・ブラックセサミ・きな粉にヨーグルト
 大量にな」
「は!!」
プリン「さん♡」

サンジはペンを持って
設計図にかき込んでいく。

サンジ「時間との勝負だ!!
 シフォンちゃんは巨大シフォンケーキを焼き上げるまで
 プリンちゃんはチョコレートのテンパリングの全工程まで!
 それぞれ2時間40分で頼む!!
 そこでおれの「秘策」を投入する
 人の幸せの絶頂に導く「甘みの真骨頂」をみせてやる!!」
プリン「あ…「甘みの真骨頂」………!?♡」
サンジ「3時間後に出航しクールダウンを含め 
 船上でデコレーション サニー号と落ち合うまでに
 「最高のケーキ」を完成させる!!」
シフォン「成程無駄がないわね」
「——しかしそんな速度で」
シフォン「やるのよ!! ママに国を破壊されたいの!?」
「「申し訳ございません!! ついてゆきます!!」」

—シフォン「ローラの恩人達の為に!! 作るわよ
 私特性「天にも昇る様なふわっふわのシフォンケーキ」!!」
—サンジ「持ち堪えろよお前ら!! 見せてやる“攻めの料理”!!」
—プリン「サンジさん達を逃がすんだ!!
 私の!! 甘い甘いチョコレートでっ!!」

サンジ「よし……!! 調理開始だ!!!」

ケーキ作りが始まった。
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