長編3(ブック)

□第二百七十八話
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ナミ「………そして
 逃げ回りながら……暗くなるまで……」
ルフィ「…………」
ナミ「私ずっとあんたを捜してたのよ!」
ルフィ「そうだったのか! 会えてよかった!!
 じゃあ チョッパーとキャロットをすぐに助けに行こう!!
 どこだ!?」
ナミ「ここ!!」
ルフィ「!?」
ナミ「今の話はこの場所で起きた出来事
 ——でも もう誰もいない!!
 ——だからこの男に聞いてんのよ!!
 ずっと見てたでしょ!?
 チョッパーはどこ? キャロットは!?
 あのブリュレって女もこの森のオバケ達も
 全く手出ししなかった!!
 つまり仲間って事よね!?」
「仲間………?
 まー……敵ではないよねー…
 教えて欲しかったら左の森にある
 美味しいアップルジュースを…」
ルフィ「それどころじゃねェんだ!!
 本当にいい事教えてくれたらジュースくらい取ってきてやるよ!!」
「ホントかー!?」
ルフィ「ああ!! そんなに言うならおれも飲みてェし」
「ところで己は強そうだけど
 己も強いのか?」
ナミ「! つ!!
 強いわよ!! それがどうしたの?」
「——そうかー見かけによらねーもんだ
 あのトナカイの奴はおったまげる程強かったが……
 それでも森の木達は躊躇なく襲い掛かってた……!!
 あいつら命令されたら目的を果たすまでまず
 止まる事はねェのよね…」
ナミ「………そういえば私……
 途中でバッタリ襲われなくなった」
ルフィ「おれはずいぶんぶっ飛ばしたら
 大人しくなった! あいつら何で動くんだ!?」
「んー
 “万国”の住人達は半年に一度
 一ヶ月分の“魂”を国に払うのよね 安全と引きかえにな」
ルフィ「ソール?」
「あー つまり
 “寿命”だ——ここに住む者は“1年で2か月分”の寿命を失うのよねー」
ナミ「どういう事!?」
「リンリンは……あーいや………
 ビッグ・マムは“ソルソルの実”の能力者
 人の“魂(ソウル)”をやりとりできる
 その力で住人達の寿命を貰い
 集めた“人間の魂”を国中にバラまく事で
 色んなものに命が宿り“擬人化”していく……!!
 あー「死体」や「他人」には魂は入らないが……
 それで動き出し 喋り出したのがこいつらだ
 「ホーミーズ」と呼ばれているよねー
 魂の回収と分配はリンリン……いや——
 “ビッグ・マム”の魂で作られた「化身」達がやってる……!!
 これが“万国”の正体よね……」
ナミ「………最初に立ち寄ったチョコの町でも
 いろんな物が生きてた
 そういうわけだったのね……!! 何て能力!!
 喋るワニもそう!? 人間っぽいウサギも」
「ああ 正解だ 動物も擬人化する」
ルフィ「じゃ あいつらもか!?」
「あれはまた別の話
 ブリュレの能力で人の姿に変身させられた
 ただの動物よね」
ルフィ「何で言わなかった!!
 お前さっきからずっと見てて……」
「関わりたくないのよね 何にも!!」
ナミ「関わりたくないのに何でここに埋まってんの!?」
「…………!!」
ルフィ「何でだ お前何者だ!!
 言え!! ジュースやるから!!」
「……………
 ウチは昔……!!
 ずいぶん昔…“ビッグ・マム”こと海賊
 シャーロット・リンリンの夫だった」
「「えェ〜〜〜〜〜〜〜っ!!?」」
「娘が二人生まれて ウヌがすぐ捨てられたのよねー
 みんな ウヌを狙わないんじゃない……
 相手にされないのよねー……!!」

そんな大きな頭の男の背後から何者かが近づいてくる。
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