長編3(ブック)

□第二百十三話
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シーザー引き渡し30分前
「ドレスローザ」

サンジはボロボロになりながらそこにいた。

ヴァイ「私の前ではみんな裸の様なもの
 会った時からあなたの全てを見透かしていた………
 女に弱いとは聞いてたけど まさかここまでとは
 ……みっともない……」

サンジ「ゲホ ハァ…ハァ…」

ヴァイ「えりは萎びてネクタイは曲がり……
 シャツも血まみれ 身だしなみも最悪だわ」

サンジ「…………!!」

ヴァイオレットは部下を集めて
サンジを囲んでいた。

ヴァイ「なんてダメな男……“黒足のサンジ”……
 あなたごときが私の心を射止めたとでも思った?
 フフ……笑っちゃう」
「ぎゃはははは 姐さんの色香に
 まんまと飛びつきやがって ハエ野郎!!」

彼女の正体 それは
(♧トレーボル軍) 殺し屋
ヴァイオレット
だったのだ。

サンジ「……ハァ……君はウソをついてる
 ヴァイオレットちゃん……ハァ……ハァ……」

「オイ 何夢みてんだ さっきのは全部演技だぜェ!?」

男達はサンジの腕をつかみ
立ち上がらせる。

するとヴァイオレットも近づく。

サンジ「本当は美しい心を持っているのに……
 悪い奴たに唆されて君は居たくもない場所に居る………」
ヴァイ「こんな目に遭って まだ何を言うの?
 いつまで恋愛気分でいるのよ!!!」

ヴァイオレットはサンジを蹴り飛ばす。

サンジ「!!!」

「ぎゃーっ ムゴイ!! だが美しい!!」
「最高のケリだ!! 姐さん!!」

ヴェイ「くだらない………」

倒れたサンジを見つめるヴァイオレット。

ヴァイ「私への怒りを抑えながら……
 あなたは逃げ出す隙を探してる……
 ウソで私を丸め込めるとでも思っているの?」

サンジのネクタイを正す。

そして目元に指で丸をつくり
その中を見つめる。
その丸の先にはサンジが倒れている。

ヴァイ「フフフ……嘘なんて通じない……
 私は“ギロギロの実”の「眼力人間」
 全てを見透かす女……
 男なんてみんなウソつき 見せて貰うわよ?
 ウソだらけのあなたの頭の中を……」
「出るぞあのポーズ!!」

肘を上に向け
両手で眼鏡を作る。

ヴァイ「“トラファルガー・ロー”と“麦わら”はなぜ 手を組んだの?
 「グリーンビット」とはこの「ドレスローザ」での目的は何?
 ——どんな作戦で……何を企んでいるの?
 喋らなくていいわ
 答えは全てあなたの頭の中にある
 これで仲間達は一網打尽よ……
 “心覗き(ビービングマインド)”!!」

サンジの頭と自らの頭を合わせる。
すると突然ヴァイオレットが悲鳴を上げる。

ヴァイ「きゃあああああ」

「「!!?」」
「どどどどど……どうしたんすか!!?」
「姐さん!!!」

ヴァイオレットは顔を赤くして
両頬を手で押さえる。
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