長編2(ブック)

□第百八十三話
8ページ/13ページ

大きな体の子供の一人が
走りながらフランキーへと問う。

「ねえロボットさんっ!! 島の外から来たの!?」
フラン「! ああ 勿論だ!! だが少年 おれはサイボーグ」
「船は持ってるの!?」
フラン「そりゃ おめェ ウチのサニー号は世界で……」
「助けて!!!………!! ねえ!!!」
フラン「あ!?」

フランキーの前で膝をついて助けを乞う子供。
これにナミ達も驚く。

ナミ「え……」
サンジ「何だよ……!! 助けてって……」
チョッパ「ここは保育園じゃねェのか!?」

「ねえ!! お姉ちゃん!!
 私達を助けて!!! お願い」

ナミ「!!」
サンジ「ナミさん 止まるな!!」

子供達は一斉に声を上げる。

「ぼく達 もう病気治ったよ みんな元気だよ!!!」

ナミ「!?」
チョッパ「病気………!!? 何のだ………??」

「おうちに帰りたいよー!!
 ねえ 助けて!!!」

ナミ「…………!?」

泣きそうな子供にナミは足を止めてしまう。

扉にはすでに防護服を着た者達が入ろうとしていた。

「あいつら………!!」

声を変えて子供達へと近づこうとする。

「よーしよし 子供達!! そこ行くのはコワイ人達だ
 こっちへおいで その人達に眠って貰うからね!!
 そこにいたらケムリ鉄砲撃てないよ〜〜〜っ!!」

だがそれは効果覿面——……。

「てっぽう〜〜〜!!」
「「きゃ——!!」

子供達は避けるように走り出す。

「さーどいてね ちびっ子達〜〜〜!!」

ナミ達もこの場を去らねばならない。

ナミ「ゴメン……今……追われてるから!!」

「「…………」」

子供達は走り出すナミ達の背中を見ながら

「じゃあ……あとで助けにきて!!!
 知ってるよ この建物から出た事ないけど!!
 この島 何もないんでしょ?
 町も誰もいない!!
 ……だから助けも来ない!!
 お父さんとお母さんに会いたいよ!!
 お姉ちゃん 戻ってきてね!!
 あとで助けにきてね!!」

泣いてそういう女の子。
ナミは迷った。

チョッパ「何だコレ……おい!! 連れてってやろう!!」
フラン「バカ!
 おれ達さえどこへ行っていいのかわからねェのに!!
 こんな大勢ガキ引き連れて何ができる!!
 ——だが 何だこの悲劇の予感!!」

防護服の男達はだんだんと近づいて来ていた。

サンジ「ナミさん 早く」

ナミは決断する。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ