長編2(ブック)

□第百二十三話
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「!! うゥうわァ!!!」
イワ「“エンポリオ・女ホルモン”!!!」
「ぐァア〜〜〜〜!!!」

男の胸部に右手を突きさす。
すると男の骨格から何から何まで変わっていく。

「ああっ!! てめェ……!! まさか…!!」
イワ「ヴァナタの父上は 女になりたかった……それでいいじゃない」
「オォ……やめろ な……失くなる!!」
イワ「母二人!! 娘一人!! 何だっていいじゃないの
 仲良くおし!!」
「やめて!! キャ〜〜〜〜っ!! は………!!
 恥ずかしいっ!!」

女性になった男は逃げていく。

イワ「ヒーハー!! 恥ずかしいがっタブル
 じゃあ まだ“新人類(ニューカマー)”への道のりは遠いわねっ!!」

2「……………!! “男”が…“女”になった……!!!
 ……まさに“奇跡の人”……!! 本物だわ!!」

イワンコフはまたステージに立つ。

イワ「男だって女だって好きなものになればいいじゃない!!
  性別なんてそんな境界線(ボーダー)!! ヴァターシは いえ……!!
 ヴァターシ達は!! とうに超越しているっ!!
 それが新しい人類!! “新人類(ニューカマー)”!! ここは自由の園!!
 「ニューカマーランド」!!」

ボン・クレーはステージによじ登り
土下座をして必死に声を上げる。

2「“奇跡の人”エンポリオ・イワンコフ!!!
  お会いできて光栄よう!! 会えてよかった!!
  ホントによかった…ぶしつけながら!! 頼みがあるのよう!!」
イワ「?」
2「マゼランの毒にやられた友達の命を救って欲しいのよう……!!
 解毒剤はもう作れないレベルで死期(リミット)はどんどん近づいてくる……!!
 救ってくれるならあちし何だって!!」
イワ「——麦わらボーイの事かしら?」
2「!?」
イワ「ヴァターシらは囚人なんだよ ケガしてる奴を見たからって
 誰でもせっせと介抱する程お人好しじゃない……!!
 ヴァナタの体……なぜ治療してあるかわかるかい?」
2「?」
イワ「その麦わらボーイが切に頼むからよ!!」
2「え!!? 麦ちゃんが…!?」
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