長編2(ブック)

□第百三話
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「ケイミー ケイミー?
 おかしい おかしい……誰かが足りなくない?
 ………その楽しい輪の中に足りないものってな〜〜〜んだ? 
 答え おれ…」

ケイミ「あ……」

ルフィはそれを手に取ってみる。

ルフィ「そうだ 気になってたんだ!! おいケイミー
  何だ!? この喋る手ぶくろ」
ケイミ「ごめーん すっかり忘れてた!!
  ペットの”パッパグ” 私の師匠なの ヒトデ」
ウソ「ヒトデって…喋るんだっけ?」
ナミ「ペットで師匠っておかしくない?」

パッパグ「飼われてやってんのよ 訳あってな……ケイミーはいつもハマグリをくれる」

ナミ「エサね」

急にギターを弾き 唄い始める。
終われば――

パッパグ「センキュー!!!!」

ケイミ「――で このTシャツは”クリミナル”っていうブランドで
  魚人島で流行ってるのよ! そのデザイナーがパッパグ!!
  私もいつかデザイナーになりたいの」

パッパグ「笑うとこ!! 今の!!」
ルフィ「ほんで おめー 何で喋るんだ?」
パッパグ「よく 聞いてくれた!!
  ………ガキの頃 おれは自分をヒトだと勘違いしててな
  ヒトデだと気づいた頃にはもうヒト語を喋ってた」
ルフィ「それで喋れちまうもんなのか」
パッパグ「”勢い”ってコエーよな!! この世は勢いだ お前!!!
  そういうわけで!! おれはヒトデのパッパグ!!
  新進気鋭のデザイナーだ!! 助けてくれてありがとう!!
  お前らみんな愛してるぜ!!」

ナミ「でも よかった 私達 今ちょうど進路で困ってて 
  聞きたい事が…」
ルフィ「おい ナミ!! タコ焼きが先だぞ!!」
ケイミ「あ そうそう お礼のタコ焼き! 
  ―――じゃあ はっちんとどこかで待ち合わせしなきゃ」
ルフィ「はっちん?」

ケイミーは持っていた電伝虫で連絡を取り始める。

ケイミ「もしもしはっちん? こちらケイミーだよ
  逸れてごめんね 今 どこにいるの――?」

【……………】

ケイミ「?」

【おー その声 ケイミーか モハハハ…
 わいが誰かわかるかい? ハチじゃないぜェ〜〜〜!?】

ケイミ「え―――!? はっちんじゃないの〜〜〜!?」

【マクロだよォ〜〜〜!!
 毎度お馴染みズッコケマクロ一味だよォ〜〜!!】
【自分で言っちゃったよ ズッコケって!!】

ロビン「なにかトラブルみたいね………」
ケイミ「むっ!! どうしてあんたがはっちんの電伝虫持ってんの!?」

【ハチの野郎をやっつけちゃったからに決まってんだろ モハハハ!!】

ケイミ「うそよ!! はっちんがお前達なんかにやられるわけないよ!!」

【まァ そうだな いつもならわいらハチには敵わねェが
 今回はなんとあの「トビウオライダーズ」と手を組んでいてねェ〜〜〜!!
 モハモハハ】

ケイミ「!?」
『あらまァ……』

すると声が変わる――…。

【ニュ〜〜 ケイミー
 無事だったか…よかった】

ケイミ「あー!! はっちん本当にやられちゃったの!?」

【ちょっと…油断したんだ……おめーはここに来ちゃダメだぞ!!
 ニュ…おれは一暴れしてすぐに帰るから 大丈夫だ】
【モハハハハー!! おいケイミー コイツはこのまま売り飛ばしちまうぜ!!
 タコの魚人は珍しいから高く売れる】
【助けに来たきゃ来るがいい
 ここはシャボンディ諸島 44番GRから東に5kmの海
 人攫い組「トビウオライダーズ」のアジトだ!!】
【ニュ〜〜!! ダメだ ケイミー 来るんじゃねェぞー!!】
【黙れコノタコ助!!】
【ニュ…】
【じゃあな!!】

切れる電伝虫。
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