長編2(ブック)

□第九十九話
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森の中——

ルフィは森の中で大勢の“人”に捕まっていた。

ルフィ「何だ!? おめェら!!!」
「いっけね!! わざと足かけてとめちった!!!」
ルフィ「急いでんだよ!! おれは!! 何の用だ!!!」
「てへ!! わかってる!! 急いでんのは重々承知!!」
「ちょっとだけ時間をくれ!! お前はおれ達の希望なんだ!!
 ずっと探してた!!」
「おれ達ァ「ローリング海賊団」
 “求婚のローラ”船長の子分 リスキー兄弟だ!! そんで」
「お前 屋敷のゲッコー・モリアを倒してェんだろ!? なァ!!」
「おれらモリアの能力の秘密知ってんだ!!」
ルフィ「だから何だお前ら!!」
「お前にとんでもねェ“力”をやる!!
  頼む!! あいつに勝ってくれ!!」
ルフィ「秘密? 力ァ?」

そんなルフィの元に
ひとりの女が現れる。

「あら!! あんた好きよ!! 結婚してっ!!」
ルフィ「いや」
「「破断だ——!! 4千444回目の破断だ!!!」」

彼女の名前は——

「ローリング海賊団」船長
“求婚のローラ” 求婚回数現在 4443回

ルフィの求婚を含めれば4444回である。

「そんなわけでこちら ローラ船長
 つまりおれ達ァ みんな影を取られて 森をさ迷う“被害者の会”だ!!」
ルフィ「おれも影取られて急いでんだって」
ローラ「アンタが“麦わらのルフィ”ね?」

ローラはこの船の現状
ルフィ達が来たことによる希望を話した。

ローラ「——とにかく!!
  このスリラーバークに 今日程 激震が走った事はないわ!!
  モリアに仕える三怪人はことごとくやられ
  屋敷もすでに半壊状態!!」
「あァ おれ達ァ おめェらが来てから
興奮しきりだよ!!」
「だが 敵もさるもの 遂に噂の特別ゾンビを起こしやがった!!」
「なーに 状況は被害者ネットワークで全て承知!!」

ローラの後ろでは他の仲間達がわいわい騒いでいた。

「おれ達 もう3年も影ナシなんだ
 一生こんな暮らしなんてまっぴらだぜ
 お前らがこのままモリアを倒してくれりゃ
 全員の影が戻る!!」
「——と思ってたら大変だ!!
 お前 モリアの「現在地」知ってっか!!?
 腹の中よ!! あのバケモノの腹の中〜〜〜っ!!!」
ルフィ「ええ〜!? 食われたのか!?」
「そうじゃねェっ!! 腹に乗り込んじまったんだ
 つまりお前の影の入った特別ゾンビを倒さなきゃ」
「モリアに手が出せなくなっちまってんだよ!!
 今 屋敷の中庭で おめェの仲間らと戦ってる!!」
ルフィ「そこにいるのか チキショ〜〜〜!!!」

ルフィは話もそこそこに走り始めようとする。

ルフィ「じゃ おれ ホント急ぐから」
ローラ「待てっつってんでしょ!!!
  ええい!! まどろっこしい説明は抜きよ!!
  見せてやればいいわ!! 私らが気づいちゃった“影”の秘密!!!」
「「ヘイ!!」」
ルフィ「!」

するとリスキー兄弟は誰かの影を持ってきた。

ルフィ「ん??………!! 影!?」
「そう! 影だ!! ゾンビに塩を食わせて飛び出た影は」
「おれ達の手でも摑まえる事が出来るんだ!!」

リスキー兄弟はそれをルフィの体にいれようとする。

ルフィ「ぎゃああ 何すんだ 影がささるー!!」
「じっとしてろ!!」
ルフィ「おえーやめろ なんか意識が…」
「よし入った!!」

ルフィは影を入れられて少しの間唖然としていた。

ローラ「…どう!? 気はしっかり持ってる?」
ルフィ「……ああ」
ローラ「アンタ 剣術使えるの?」
ルフィ「…いや おれはぜんぜん」

ローラは刀をルフィの持たせてみると
ルフィは刀を抜いて木を輪切りに切り始めた。

「「「「うお—〜〜〜っ!!!」」」」

一瞬の事でルフィもよくわかっていなかった。

ルフィ「え!? どうなってんだ!?」
ローラ「ウフフフフ♡
  今 アンタの体にいれた影は 海軍の手練れ剣士の影よ!!」
「影の持つ戦闘力は全てお前の力にプラスされる!!」
「しかも 影はお前の気力が持つ限りいくつでも入れられるんだ!!」
ローラ「どお? スッゴイでしょ!!?
  モリアの能力を利用して アンタの強さは今の何倍にも膨れ上がるのよっ!!!」
「影はまだまだ捕まえてある!! ただし精神力が弱ェと気を失って
 せっかくの効力も水の泡だ」
ルフィ「お前ら何でそんなに影持ってんだ?」
「自分の影を見つける為に必死こいてゾンビを浄化してんのに
 どこのどいつともわからねェヤローの影が解放されんのはシャクだろ!!
 そんで捕まえてみたのが始まりよ!!」
「——いいか だが これをよく覚えとけ!!
 影は死体に入ればゾンビになるが 実際に魂を持った人間に居着く事はねェ!!
 パワーアップは持って10分ってところだ
 その後 抜けて 本物の主人の元へ帰ってく!!」
ルフィ「………」
「わかったな勝負は10分!!」
「おれ達が命懸けで手に入れたすべての影をお前にやる!!」
ルフィ「うげ! そんなに」

ルフィの前には
大量の影が持って来られる。

ローラ「空の霧も晴れちまって
  私らの行動できる夜の時間はあと20分程度!!
  とにかく急ぐのよ!! 気をしっかり持って!!
  アンタなら20人や30人分は耐えられるはず
  私ら 二人か3人が限度だけどね やりな!!」
「「「お———!!」」」
ルフィ「うわー ちょっと待て!! まだやるとは……!! ぎゃー……」

ルフィに次々と影を入れて
入った数は———

ローラ「この男…どれだけ気力が強いの…!?
  スッゴイわ 前例ナシ…」
「ひゃ 100忍分の影が全部入った…!!」
「とんでもねェ!! さすが希望の星!!!
 お…おい!! 意識はどうだ!!?
 ちゃんとお前か!? ”麦わらのルフィ”!!!」
ルフィ「フー……フー……ああ…おれだぜ……!!
  力が…溢れ出て止められねェぜ!!!」
ローラ「この子 今 どんだけ強いのかしら…」
「なんかおめェ…感じ変わったな…
 も少しチビだったよな」
ルフィ「戦いたくてウズウズすんぜ!!!」
ローラ「…これならいけるわ!!
  …さァ 時間もない!! モリアの奴に“悪夢”を見せてきな!!
  我らが希望の星“ナイトメア・ルフィ”!!!」
ルフィ「ウオオオオオオォ!!!」

ルフィは走りだす——…。
逆方向へ——

「ちょっと待て 屋敷はそっちじゃね〜〜〜!!!」

ルフィが屋敷へ到着するまで
もう少し———…。
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