長編(ブック)

□第八十五話
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三人はヒルドンと一緒に馬車に乗る。


馬車は目的地へとゆっくり進む。


ナミ「ねェ…この馬車を引いてる馬
  霧でよく見えなかったけど…
  少し…変わってなかった?」

ヒルドン「気のせいでございまし…ヒヒヒヒ」

ナミ「そ…それならいいんだけど……」


ナミの見た物は気のせいでもなんでもなく。

馬とはかけ離れた見た目の生物が馬車を引いていた。


ウソ「とにかく助かった 危ねェとこ ありがとう」

ヒルドン「いえいえ…どうぞワインでも
  この森には変わった動物が多いので
  ただ歩くだけでも危険でし」


ヒルドンはワインをナミの持つグラスに入れる。


チョッパ「うん驚いた!!
  ケルベロスなんて空想上の生き物だと思ってたから」

ウソ「突然変異かなんかだろあの恐ろしい姿」

チョッパ「木の上から降りられなくて
  どうしようかと思ってたとこなんだ」

ヒルドン「お仲間達を待つのなら屋敷が一番でし
  目立ちましし安全でし」

チョッパ「それに! ドクトル・ホグバックにも会えるしな!!」

ウソ「そんなに宥免なのか」

チョッパ「医者でその名を知らない奴はいないよ!!
  “天才外科医”なんだぞ!!
  奇跡の様な手術(オペ)で星の数程の
  人達の命をすくってきたんだ!!
  地位も名誉も医者として得られる 全てを手に入れて…
  世界中の医師達からの尊敬を集めてた…!!!
  だけど ある日突然 姿を消したんだ
  失踪事件とも…誘拐事件とも言われて
  医学界は一時大変な騒ぎになったけど
  結局 何の手がかりも掴めないまま 今はもう
  “ホグバック”という名前は伝説になりかけてるよ
  その!! ドクトル・ホグバックだろ!!」

ヒルドン「さいでし Dr.はこの島で
   今もなお人智を超えた研究をなさっておいででし」

チョッパ「サイン頼んでもいいのかなー!!」

ヒルドン「それくらいは大丈夫だと思いましでし」

チョッパ「アリアもきっと驚くぞ!!
  一緒に連れて来れれば良かったんだけどな…」

ウソ「アリアはおれ達を助けに来るんだから
  その時でも大丈夫だろ」

チョッパ「そっか!! それもそうだよな」


チョッパーの楽しそうな声をBGMに

ナミはカーテンを静かに開けて外を見ていた。


ナミ「……」


その森の中に一つの影が見えた。
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