長編(ブック)

□第八十四話
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ブルック「“影”は…数年前
  ある男に…奪われました」

『あぁ……』

ロビン「……“影”を……?」

ゾロ「お前が動いて喋ってる以上
  今更 何言おうと驚かねェが
  そんなことがあんのか?」

ブルック「あります “影”を奪われるという事は
  光ある世界で存在できなくなるという事で
  “直射日光”を浴びると私の体は消滅してしまうのです!!
  同じ目に遭った誰かが太陽の下
  消えていく所を目のあたりにしました…!!
  それはもう身の毛もよだつ光景でした ガイコツなのに
  “光”で地面に映るハズの“影”がない様に
  鏡や写真などに私の姿が写る事もありません!
  つまり 私は光に拒まれる存在で!!
  仲間は全滅 “死んで骨だけ”ブルックです
  どうぞよろしく!!」

サンジ「何で明るいんだよ!!
  さんざんだな お前の人生」

ブルック「なのに“コツコツ”生きてきました!!
   骨だけに!!」
 
「「うるせェよ!!!」」

ブルック「ヨホホホホホ ヨホホホホホ」

ウソ「おいおい どうした大丈夫か」


急に笑い始めたブルックにウソップは動揺をする。


ブルック「今日はなんて素敵な日でしょう!!
  人に逢えた!!!
  今日か明日か日の変わり目もわからない
  この霧の深い暗い海で
  たった一人舵のきかない大きな船に
  ただ揺られてさ迷うこと数十年!!
  私 本っっ当に淋しかったんですよ!!
  淋しくて怖くて…!!!
  死にたかった!!!
  長生きはするものですね!!
  人は“喜び”!!!
  私にとってあなた達は“喜び”です!!!
  ヨホホホ!!!
  涙さえ涸れていなけれな泣いて喜びたい所
  あなたが私を仲間に誘ってくれましたね!!
  本当にうれしかったのです どうもありがとう
  だけど 本当は断らなければ!!」

ルフィ「おい!! 何でだよ!!」

ブルック「先程も話した様に 私は“影”を奪われ
  太陽の下では生きていけない体!
  今は この魔の海の霧に守られているのです
  あなた方と一緒にこの海を出ても
  私の体が消滅するのも時間の問題
  私は ここに残って“影”を取り返せる
  奇跡の日を待つことにします!! ヨホホホ」

ルフィ「何言ってんだよ 水くせェ!!!
  だったらおれが取り返してやるよ!!!
  そういや誰かに取られたっつったな 誰だ!!?」

ブルック「……………!!」

ルフィ「どこにいるんだ!!!」

ブルック「……あなた本当にいい人ですね 驚いた!!
  ――しかし それは言えません
  さっき会ったばかりのあなた達に
  “私の為に死んでくれ”なんて
  言えるハズもない」

フラン「敵が強すぎるって事か?
  減るもんじゃないし 
  名前を言うくらいいいだろ」

ブルック「いいえ 言いません…当てもないのです!!
  ヨホホホ 私の第二の人生が終わるまでに
  会えるかどうかもわかりません
  もし次会った時にはと…
  私も戦いをハラに決めていますが」

『ねェ……』


アリアは静かにブルックに問いかける。
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