長編(ブック)

□第七十六話
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“ためらいの橋”最後尾――


フラン「おい おめェら 意識を戻せ―!!
  お――い!!」


これに一斉に水を噴き出す。


サンジ「ガハ!!」

キング「ゲフッ!!」

ゾロ「エホ!!」

『ケホッ!!』


力なく倒れるゾロ達。


フラン「奇跡としか言いようがねェ……!!
  何かとんでもねェ……
  そりゃあもう飛んでもねェショックを受けたんだろ
  全員仮死状態にあった為に
  あまり水を飲まずに済んでる」

ココロ「んががが よかったれぇ
  仮死になる程のショックって一体何が」

フラン「おめェだ」

ココロ「おまいらね? 海賊王の小僧が助けに来た仲間…」

ロビン「!」

ココロ「シフトステーションで会ったれぇ 覚えてるよ
  あの時はまさか
  ……おめェらがこんなコトしでかすなんて」

フラン「服をちゃんと着ろ!! ババーてめー!」

ココロ「考えもしなかった………!!
  海賊王になるなんて笑っちまったが……
  案外ホントかもしれねェな…んががが」

ロビン「ふふ」


後ろでは――


キング「ゲホッ!! ウェッホ!!!」

ゾロ「……!! ハァ」

サンジ「ぶはァ!!
  な…な…ナミさんとアリアさんは無事か!?」

『あ―……力が……』


フラン「相変わらず丈夫な奴らだな」

ココロ「よく生きてた」


キング「!!!」

『あ…』


ココロを見ると三人は大きな声で騒ぎ始める。


キング「ギャ〜〜〜現実だった!!
  人魚って本当はいねェんだ!!」

ゾロ「「人魚かと思ったらジュゴンだった」
 って伝説は本当だったんだな」

サンジ「バカ野郎!! まだ本人が人魚だなんて言ってねェ!! 
  夢を諦めるな!!」

ココロ「あたしは“シラウオ”の人魚らよ」

サンジ「やめろ〜〜〜〜!!!」

キング「でもよ!!  足のある人魚なんて聞いた事ねェ」

サンジ「おれも異議ありだっ!! 人魚ってもっと……!!
  人魚ってもっとアレで…」


しくしく泣き始めるサンジに


『みんなの思ってる人魚は若い人魚だね
 30歳を境に尾ひれは二股になって
 陸上生活が出来るようになるのよ』

ココロ「そう 神秘の種族 おめェらも魚人島へ行けばわかる」

キング「そうか! 100年生きた猫は
  尻尾が二股に割れて“妖怪化”するというぞ!!」

サンジ「ああ…“化け猫”か」

ココロ「一緒にすんじゃれえよ!!
  おめェら礼の一つも言ったらどうらい!!」

『助けてくれてありがとうココロさん』

ココロ「んががががいいんら!」


サンジ「!」


チョッパ「ゲホ!! あれ?……ここどこだ? ハァ」


サンジ「んルルルロォ〜〜ビンちゃあ〜ん!!!」


ロビンに飛びつこうとするサンジを押しのけて抱き着いたのは――


サンジ「!!!」


ナミ「ロビン!!!」

チョッパ「ロビーン!!!」

ロビン「!」

ナミ「間に合ってよかったロビン!!
  無事だったのね!!」

チョッパ「ボビ〜〜ン!!!」

ロビン「ええ……お陰様で……!! ありがとう」

ナミ「いいのよも〜〜〜!!!」

『傷だらけね 後で手当てしなきゃ』

ロビン「ありがとう」

チムニ「ばーちゃんすごーい!! 人魚だったの――!?
  ヒレやウロコがあるから変わってるなーと思ってたら」

「ニャー」

フラン「気づけよ!! 孫っ!!」


各々が感動の再開や驚きの事実を知っていると――
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